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675: 名無しさん :2017/05/15(月) 22 08 15 思い付きの単発ネタです。 既に幾度目になるかも思い出せない逆行により、再び日本国の宰相となった嶋田こと神崎さん。 が、今度の世界は今までとは違い、史実の戦後日本そのものだった。強大な米ソ冷戦の真っただ中、良くも悪くも高度成長期時代の昭和元禄を享受する日々。 未来の為に、少しは史実で発生した悲劇を回避ないし阻止、あるいは軽減するべく対処しつつも、娘は法務大臣(中の人:宮様)の息子に嫁ぎ、息子は近日中に通産大臣(中の人:公爵)の娘と婚約。このまま、戦後日本の平和を満喫しつつ生を終えるのも悪くないかと思い始めた頃。 「青森の在米第五戦術空軍基地と、水原(韓国)の在韓米第八軍のミサイル基地が攻撃されただと⁉」 「規模は、一メガトンの核弾頭ミサイルと思われます!」 史実には無かった異常事態。直ちに三沢市の救助に自衛隊の出動を命じるも、その間にも次々と官邸に舞い込む凶報。 混乱して頭を掻きむしる官房長官の頭部から、男性用鬘(レオンカ・トーペ)が外れるの見た瞬間、彼は覚った。 「ここは、史実では無い。『霊長類 南へ』の世界だ!」 既に始まってしまった史上最大の核を用いたパイ投げ戦争。夢幻会は、今度も日本を救えるか? 続きは、皆様方のソウゾウ(誤字に非ず)にお任せします。掲載はご自由に。
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imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (No.jpg) CV Illustrator 史実情報 台詞一覧 同型艦 コメント CV ??? Illustrator 絵師 史実情報 (史実の情報を記載) 台詞一覧 状況 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 自己紹介 秘書クリック会話① 秘書クリック会話② 秘書クリック会話③ 秘書クリック会話④ ケッコン後 戦績表示時 編成選択時 装備時① 装備時② 装備時③ (マップ選択・資材発見・修復剤使用・装備開発と装備時③は共通) 補給時 ドック入り ドック入り(重傷) 建造時 艦隊帰投時 出撃時 戦闘開始時 航空戦開始時 空母・水母のみ・夜戦攻撃時と同じ 攻撃時 5倍の相手だって 夜戦開始時 夜戦攻撃時 空母以外・航空戦開始時と同じ MVP時 被弾時 被弾カットイン 撃沈時(反転) ケッコンカッコカリ +未実装なら格納 時間 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 00 00 - 01 00 - 02 00 - 03 00 - 04 00 - 05 00 - 06 00 - 07 00 - 08 00 - 09 00 - 10 00 - 11 00 - 12 00 - 13 00 - 14 00 - 15 00 - 16 00 - 17 00 - 18 00 - 19 00 - 20 00 - 21 00 - 22 00 - 23 00 - 放置時 - 同型艦 艦船情報テンプレ ― 艦船情報テンプレ コメント 最新の30コメントを表示しています。 ◆戦績表示時・ドック入り(重傷)・出撃時・戦闘開始時・夜戦開始時・夜戦攻撃時を追加 ◆小破時を削除・中破時 大破時を被弾カットインに統一しました。 -- (2013-05-02 14 16 26) 資材発見時・高速修復材使用時は装備時のうちの1つと共通です -- (2013-05-02 14 18 23) 装備開発時も共通だったので削除します -- (2013-05-02 14 26 24) 補給時の項目が無いけど、台詞は装備時の物と同じですね。ただ装備時③ではなく①か②になるのかな? -- 名無しさん (2013-05-03 14 16 01) 補給・ケッコン・ケッコン後クリックの項目加えました -- 名無しさん (2014-10-11 02 30 10) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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概要 写真 #image(ここに画像のURL) 正式名称 エポック社ワールドウォーゲーム①独ソ電撃戦 ミンスク 41 サークル内略称 独ソ電撃戦、ミンスク 出版元 エポック社 デザイナー 黒田幸弘 タグ番号 白1 プレイ情報 ルールブックページ数 チット数 プレイ人数 2人 プレイ時間 2時間~3時間 状態 プレイ可能 保管場所 渋谷キャンパス 史実情報 戦争 第二次世界大戦/大祖国戦争、バルバロッサ作戦 年月日 1941年6月22日~29日(ゲーム内) 場所 ポーランド~ロシア西部 結果 交戦勢力 ドイツ第三帝国 ソビエト社会主義共和国連邦 指揮官 損害 参考文献、もしくはリンク ウィキペディア 解説 簡単なルールでドイツ軍の電撃戦を体験できるので、エポック日露戦争と並んで人気の高いゲーム。ドイツ軍は攻撃、ソ連軍は遅滞防御と、双方やることは完全に限られてしまうが、戦術さえ誤らなければダイス目次第でどちらも勝利しうるので熱くなれる。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 レーベンスラウムを獲得せよ! 4 (50%) 2 同志スターリン書記長万歳! 3 (38%) 3 名作 1 (13%) 4 クソゲー 0 (0%) 5 ルールが難しい 0 (0%) 6 再現はすごいがつまらん 0 (0%) 7 史実再現がすごい 0 (0%) 8 史実再現に難あり 0 (0%) 9 史実再現はともかく面白い 0 (0%) 10 良ゲー 0 (0%) その他 投票総数 8 関連ゲーム リンク名 戦術解説ページリンク リンク名
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キャラ別攻略 キャラ名クリックで個別ページに飛びます 武将名 成長タイプ 固有技能 特殊技1 特殊技2 一章 二章 三章 四章 五章 六章 外伝 真田幸村 チャージ 電光石火 馬呼び ダッシュ 長篠撤退戦 小田原城攻略戦(西) 三成救出戦 上田城防衛戦 大坂の陣 - 関ヶ原の戦い 前田慶次? チャージ 獅子奮迅 特殊投げ 馬呼び 小田原城攻略戦(西) 三成救出戦 海賊討伐戦 長谷堂の戦い 江戸城攻略戦 - 天正御前仕合 織田信長 特殊 快刀乱麻 バリア 武器強化 長篠の戦い 大坂湾の戦い 手取川の戦い 武田殲滅戦 本能寺の変 - 信長天下統一戦 明智光秀? 通常 金剛堅固 一閃 受け返し 金ヶ崎撤退戦 小谷城攻略戦 雑賀攻め 本能寺の変 山崎の戦い - 光秀天下統一戦 上杉謙信? 通常 千里天眼 紙人形 毘沙門天 川中島の戦い 村落救出戦 長篠乱入 手取川の戦い 関ヶ原決戦 - 九州征伐 お市? 通常 青雲之志 伏兵 激励 村落救出戦 金ヶ崎撤退戦 姉川の戦い 宇佐山包囲戦 小谷城攻略戦 - 賤ヶ岳の変 阿国? チャージ 天命反転 激励 挑発 - - - - - - - 雑賀孫市? チャージ 一射神通 銃連射 ロックオン 姉川の戦い 大坂湾の戦い 雑賀攻め 本能寺脱出 山崎の戦い - 三方ヶ原決戦 武田信玄? 特殊 大山鳴動 回転投げ 能力増強 川中島の戦い 海賊討伐戦 三方ヶ原の戦い 長篠の戦い 関ヶ原決戦 - 九州征伐 伊達政宗? チャージ 虎視眈々 挑発 銃連射 小田原城攻略戦(東) 長谷堂の戦い 海賊討伐戦 大坂の陣 三方ヶ原決戦 - 関ヶ原の戦い 濃姫? 特殊 虎視眈々 罠設置 罠爆発 長篠の戦い 村落救出戦 手取川の戦い 武田殲滅戦 本能寺の変 - 賤ヶ岳の変 服部半蔵? 特殊 現世御身 忍術攻撃 分身の術 姉川の戦い 三方ヶ原の戦い 長篠の戦い 小牧長久手の戦い 大坂城攻略戦 - 上田城攻略戦 森蘭丸? チャージ 行雲流水 一閃 捨て身 - - - - - - - 豊臣秀吉? 通常 青雲之志 金のなる木 挑発 山崎の戦い 賤ヶ岳の戦い 小牧長久手の戦い 九州征伐 小田原城攻略戦(西) - 関ヶ原の戦い 本多忠勝 チャージ 明鏡止水 名乗り 鉄壁 姉川の戦い 三方ヶ原の戦い 上田城攻略戦 抗瀬川の戦い 関ヶ原の戦い - 天正御前試合 稲姫? 特殊 一射神通 弓連射 属性付与 小田原城攻略戦(東) 村落救出戦 抗瀬川の戦い 関ヶ原の戦い 大坂の陣 - 沼田城防衛戦 徳川家康 通常 金剛堅固 砲撃 誘導弾 姉川の戦い 三方ヶ原の戦い 小牧長久手の戦い 小田原城攻略戦(東) 関ヶ原の戦い 大坂の陣 上杉征伐 石田三成 特殊 天命反転 罠設置 罠爆発 山崎の戦い 賤ヶ岳の戦い 小牧長久手の戦い 小田原城攻略戦(西) 抗瀬川の戦い 関ヶ原の戦い 江戸の陣 浅井長政? 通常 電光石火 属性付与 伏兵 姉川の戦い 宇佐山包囲戦 小谷城防衛戦 賤ヶ岳決戦 金ヶ崎の戦い - 関ヶ原決戦 島左近 特殊 明鏡止水 援護射撃 属性範囲攻撃 山崎の戦い 九州征伐 小田原城攻略戦(西) 抗瀬川の戦い 関ヶ原の戦い - 三方ヶ原の戦い 島津義弘? 通常 大山鳴動 捨て身 鉄壁 九州征伐 小田原城攻略戦(東) 杭瀬川の戦い 関ヶ原突破戦 江戸城攻略戦 - 関ヶ原の戦い 立花誾千代? 通常 快刀乱麻 雷召喚 武器強化 九州征伐 小田原城攻略戦(東) 抗瀬川の戦い 関ヶ原の戦い 島津追撃戦 - 江戸の陣 直江兼続 特殊 千里天眼 護符障壁 金縛り 川中島の戦い 手取川の戦い 小田原城攻略戦 長谷堂の戦い 江戸城攻略戦 - 上杉征伐 ねね? 特殊 現世御身 分身の術 変化の術 山崎の戦い 賤ヶ岳の戦い 小牧長久手の戦い 海賊討伐戦 小田原城攻略戦(西) - 関ヶ原乱入 風魔小太郎? チャージ 行雲流水 忍術 特殊投げ 三方ヶ原乱入 大坂湾の戦い 大坂城攻略戦 風魔叛逆 九州征伐 - 小田原防衛 宮本武蔵? チャージ 獅子奮迅 受け返し 名乗り 関ヶ原の戦い 村落救出戦 京洛動乱 大坂の陣 江戸城攻略戦 - 天正御前試合
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天の雲嶺 火の鳥と猿が変態です -- `ァ,、ァ(*´Д`*) `ァ,、ァ 中ボス2体倒した後どうすればいいのかわかんね -- 鳥のドロップを6個集め青ネームに話すと戦闘開始 -- 雑魚すら軽く中ボス・武将クラス -- 中ボス越えた場所に人型7体。本陣7体並の強さ。熟練38000、弓と杖を落とす。 -- 宇宙の雫ゾーン確定。 -- 変態忍者 カルラ倒すと召喚アイテム(ロット制)出ます それを塔のてっぺんでつかうと天翼龍(だったかな?)が沸きます -- ↑の構成はホワイトドラゴンが1体。開幕はほぼ不動。全体に1500〜2000ダメ(気合呪詛付き)の術を連打してきます。たまに混沌効果のついた術も使ってきます、生命多し合戦場大名並 -- 天翼龍のドロップはロット制の生気+100全ステ+10 妖力気合充填付きの特殊装備を落とします。天翼龍を倒すとクエスト終了で翁に報告すると不動明王立物がもらえます。 -- 日神の使い、日神従者、武将どころかPCが使う特化の技(森羅万象、神通発雷2、浄火、五雷法を確認)も使ってきますwあと生命は四天王〜軍師並みにありますw --
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CV Illustrator 史実情報 台詞一覧 同型艦 コメント CV ??? Illustrator 絵師 史実情報 秋津洲と書いて「あきつしま」と読む。あきつ丸との混同に注意 「洲」にはサンズイが付く 台詞一覧 状況 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 自己紹介 秘書クリック会話① 秘書クリック会話② 秘書クリック会話③ 秘書クリック会話④ ケッコン後 戦績表示時 編成選択時 装備時① 装備時② 装備時③ (マップ選択・資材発見・修復剤使用・装備開発と装備時③は共通) 補給時 ドック入り ドック入り(重傷) やられたかも~私、前線とか苦手かも~後方支援ならバッチリかも~ 建造時 艦隊帰投時 出撃時 戦闘開始時 航空戦開始時 空母・水母のみ・夜戦攻撃時と同じ 攻撃時 攻撃力あまりないかもだけど 夜戦開始時 夜戦攻撃時 空母以外・航空戦開始時と同じ MVP時 被弾時 被弾カットイン 撃沈時(反転) 私、沈むのね…大艇ちゃん、バイバイ…きっと未来には… ケッコンカッコカリ +未実装なら格納 時間 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 00 00 - 01 00 - 02 00 - 03 00 - 04 00 - 05 00 - 06 00 - 07 00 - 08 00 - 09 00 - 10 00 - 11 00 - 12 00 - 13 00 - 14 00 - 15 00 - 16 00 - 17 00 - 18 00 - 19 00 - 20 00 - 21 00 - 22 00 - 23 00 - 放置時 - 同型艦 秋津洲 コメント 最新の30コメントを表示しています。 名前 コメント すべてのコメントを見る
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33 :霧の咆哮:2016/08/31(水) 22 20 10 大日本企業連合が史実世界にログインしたようです支援ネタ 台詞集その5(霧の咆哮ver) 「実際に使ってみると、ヒエンの方はずっと飛んでられる代わりに加速度は低いし、動きが直線的になりがちで自由度にも難ありで~」 「一方のショウキは飛行可能時間はヒエンに劣るけど、加速度は高く、複雑な機動も可能と自由度は上で~」 「ずっと飛んでられる楽しさを取るか、自由に飛べる楽しさを取るか悩んだけど、今はショウキを取ったんだよ~」 「武装適性的にはショウキの方が私に合ってたのも有るけど、ヒエンにも未練があるのがな~」 ー日企連本社のリラックスルームにて。机の上に上半身を投げだし、ビローンと両腕を伸ばしながらアセンブルの話題を出すルナスカイ。 「今のアセンブルの方が汎用性は上だけど、お義父さんのような潔いのも燃えるんだよねぇ……」 ー自分もアセンブルに頭を悩ませてると返す鴨川桜子。 「存分に悩め若人。アセンブルに悩むのはレイヴンでもリンクスでも変わらん。己が望む最善を目指すのも、ロマンや拘りを重視するのも自由」 「ただ、遊びに走った結果若い命を散らすなんてのは勘弁して欲しいがな」 ー悩む若者達に、ベテランらしい深みのある言葉を放つアックスブロウ。 「好きに選べばいいじゃん。遊びでもガチでもネタでも趣味でもさ」 ー超気楽そうに言うのはアンノウン。 「ネタや遊び全開のアセンブルで生き残れるのは、不測の事態が起きようが笑いながら切り抜けられる貴方位ですよ」 ーアンノウンには聞こえるが、ルナスカイ達に聞こえない程度に、小声かつジト目でツッコムタケミカズチ。 「威力や貫通力とかは既に十分。一番の課題はエネルギー消費の高さかな」 「装弾数の増加は、この威力を維持しながらじゃ結構重くなりそうだから解消難しそう。開き直って重量機向けの新型を作るのも有りかも」 ー口に出しながら、試験装備している新型装備、アサルトレールガンへのレポートを纏めていくダイスウーメン。 「五連装ガトリングキャノン、グレネードの極致、老神とは別ベクトルのガトリングの極致。アレサの実質専用武装をネクストの武装としてリメイクしたなんて、試験の時が楽しみです♪」 ー轟天に装備された、両背部を占有する重鋼な輝きを放つトンでも武装を、子供のようにワクワクと眺める桜子。 「この震動、連射力、痺・れ・る~! でも、真面目に考えると三連装位の方が使い勝手は良くなりそうです」 ー表示されるデータに目を通し、今の五連装のままじゃ命中率や取り回し等に難があると下す桜子※1 「それはそれとして、浪漫に全てを注ぎ込んで完成させるのも一興ですね。KIKUのように、老神のように」 ーAC世界のトンでも武装らしく、この方向性のまま完成させても楽しそうだから良いかなと、ニッコニコ笑顔になる桜子。 「何てロマン溢れる武装、ス・テ・キ♪ でも、その大きさじゃ重過ぎてダイスさんでもテスト出来ないね」 ー五連装ガトリングの異様にロマン回路が刺激されて目を輝かせるも、そのサイズに苦笑を浮かべるダイス。 「ふむ……ガトリンググレネードキャノンは流石に重量問題が解決出来ないことには厳しいか」 ー五連装ガトリングキャノンを開発した後、追加で命じた代物の、現時点での報告を受けた有澤隆文※2 ※1総合火力は保有弾数を維持すれば良いとして、瞬間火力の低下は避けられないし、浪漫的にも五連装のままの方が良いのが本音であったが、それはそれ。 仕事として実用性と浪漫性能を天秤にかけるし、レポートにもテスターとしてちゃんと問題点は記す。 ※2まだ設計段階だが、グレネードの威力とガトリングの連射力を維持したままの場合、軽量化し切れずに雷電脚部を使用してもなお重量過多になったそうな。 チューニング込みで、両腕武装も積んでいないのにだ。 wiki転載は例の如くご自由に。
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. 「そういえば文香さん、聞きましたか?」 442プロダクション、ロビーにて。 ソファに並んで腰掛けるアイドルが二人。 その内の片方、橘ありすが隣に座る女性に声を掛ける。 「はい……何でしょうか?」 「ライブ会場で漏電による小火騒ぎが起こったそうですよ。小規模だったので幸い明日の進行には支障は無いらしいですが…… 近頃は不審者も多くて心配だって、美波さんが言ってました」 ありすと会話する女性、鷺沢文香は少々不安げな様子を見せる。 此処最近の冬木市は、何やら騒がしい。 銀行等から大量の金銭が盗まれる事件。 『人食い』という恐ろしい異名が付けられた猟奇殺人事件。 そして、相次いで発生している不可解な殺人事件。 ライブが近いと言うのに、気が滅入ることが少なくない。 今回の小火騒ぎも、少し不吉なように感じてしまった。 「……この頃は、物騒な話も多くなってきましたね」 憂うように呟く文香を、ありすは見つめる。 ありすは文香と動揺に美波とは親しい間柄だ。 三人で同じ仕事をしたこともある。 そんな美波とは今朝、プロダクションに来た時に真っ先に対面した。 その時に会場の事故や不審者のあれこれについて、親しい間柄の文香への『伝言』を頼まれた。 言い付け通りに伝言をしたのだが――――やはり文香の不安げな顔をありすは見たくはなかった。 ありすにとって、文香は憧れの対象だ。 彼女が辛い表情を見せていると、ありすも悲しい気持ちになる。 だからありすは、文香を支えようと言葉を紡ぎ出した。 「……そんな暗い話なんて、吹っ飛ばしちゃいましょう。クリスマスライブを成功させて、パーッと明るくしちゃえばいいんです!」 咄嗟に出た言葉に、ありすは直後にハッとする。 ――――――吹っ飛ばしちゃいましょうとか、パーッと明るくとか。 ――――――ちょっと、子供っぽいのではないか? 口にしてから、急に恥ずかしくなってきた。 あっ、その、と言葉を吃らせてしまう。 何でもないです。今のは忘れて下さい。 そう言おうと思ったが。 文香は、ふっと微笑む表情を見せており。 「……ふふ……ありがとうございます、ありすちゃん」 ありすへ、静かに礼を述べた。 彼女の微笑に照れてしまったありすは、少し目を逸らす。 ちょっと恥ずかしかったけど―――――結果オーライなら、まあいいかな。 文香さんを励ませたなら、何よりだ。 そう思い、ありすは「どういたしまして」と小さな声で呟いた。 そんなありすの様子を、文香は微笑ましげに見つめていた。 「……そういえば、楓さんやほたるちゃんは……他所でのお仕事、でしたよね」 「あ、はい。既に現場に向かってるみたいですよ。幸子さん達もテレビの収録だとか―――――――」 文香がふと口にした言葉を皮切りに、空気は元に戻る。 そのまま適当な世間話へと移行しようとしていた。 だが、唐突に会話は打ち切られることになる。 「――――――おお!此処がプロダクションとやらか!!余は興奮してきたぞ!!」 聞き覚えの無い声が、耳に入ってきた。 ありすと文香は、ほぼ同時に入り口の方へと視線を向ける。 そこにいたのは、金色の髪を靡かせる美少女だった。 ◆◆◆◆ 「うーん……」 事務所の椅子に座り、プロデューサーは頭を悩ませる様子を見せていた。 時折眼鏡を弄るようにズレを直しながら、背もたれに寄り掛かって考え込んでいる。 そんなプロデューサーの姿を、新田美波は机の前に立ちながら見つめていた。 彼が、『この世界』における美波のプロデューサーだ。 この冬木で彼女の才能を見出し、アイドルとして育てた人物だ。 明日控えるライブを主導しているのもこのプロデューサーである。 その風貌は、美波の知る『彼』には似ても似つかなくて。 それ故に、美波は仄かな安心感を覚える。 目の前のプロデューサーとの思い出は、きっと幾つも積み重なっている。 この世界の新田美波は彼と共に歩み、彼と共に成長していったのだろう。 そこには様々なドラマがあったはずだ。 ここにいる『新田美波』にも、19年分の人生と、冬木でのアイドルとしての生活が在る。 だが、今の彼女にはそれに深く入れ込むことなど出来ない。 何故なら、今の彼女は背負っているから。 本当の新田美波が歩んできた青春を知覚し、その心に抱えているからだ。 『彼』に才能を見出され、『彼』と共に歩み、大好きな『彼』に恋い焦がれ。 しかし大好きな『彼女』と『彼』が結ばれ、想いを隠して二人を祝福した――――――そんな悲恋のような青春。 それが、新田美波の歩んできた本当の人生。 彼女が体験してきた、アイドルとしての生活。 故に、美波は『今の』アイドルとしての生活には複雑な想いを抱えていた。 442プロダクション所属アイドル、新田美波。 それは冬木という戦場の街で与えられた、偽りのロール。 どれだけ努力しようと、どれだけ成果を出そうと、結局は偽りのものでしかない。 その気になれば、放り出すことだって出来たかもしれない。 しかし、美波にはそれは出来ない。 美波は元より責任感や挑戦志向の強い性格の持ち主だ。 例えこの日常が偽りであろうと、与えられた『役』は遣り遂げなければ気が済まない。 それがアイドルという情熱の対象であるのならば、尚更だ。 そして、この街にも他のアイドルがいる。 この街にもアイドル・新田美波のファンがいる。 仲間と共に努力し、声援に応えるのがアイドルの役目だ。 それは元のプロダクションでも、冬木でも変わらない。 彼女らを危険な目に遭わせたくないという思いもまた、変わらなかった。 美波は、追憶する。 アイドルとしての在り方を教えてくれたのも『彼』だったことを思い出す。 恋に敗れても、アイドルへの情熱は捨て切れない。 ファンに応え、笑顔で舞台に立つのがアイドルだという『彼』の教えを守り続けている。 『彼』と共にいることがつらくなったのに。 結ばれなかった自分を惨めに思ってしまったのに。 『彼』と『彼女』を見るだけで、胸が締め付けられるような想いを微かにでも抱くようになってしまったのに。 それでも『彼』が居ないこの世界では、『生真面目な優等生アイドル』をやっていられる。 自分の中のアイドルへの情熱はまだ昂っているのか。 それとも、『彼』がいないからこうして生真面目なままでいられるのか。 このプロダクションにいるかもしれない『彼女』と会えば、心が揺らいでしまうのだろうか。 美波は心中で問答を続ける。 この冬木には、本来の知り合い達が似たような役割を与えられて暮らしている。 もし、『彼』が此処にいたら。 自分は、どうなっていたんだろう。 ぼんやりと、美波はそんなことを考える。 案外何ともなく、いつものように付き合っていくことになっていたのか。 ちくりとした蟠りを胸に抱えたまま関わっていくのか。 あるいは、『彼』の存在に耐え切れずにアイドルから逃避していたのだろうか。 それとも――――――――――。 ふと思い浮かんだ考えを振り払う。 自らの心のうちに仄かに浮かんだ想いを抑え込みつつ、美波はプロデューサーに声を掛ける。 「やっぱり、厳しそうですか?」 「まあ、何とか一、二枠捩じ込むことは出来なくもないと思うんだけどね……」 そう言うプロデューサーの反応は、やはり困った様子であり。 「……上に相談してみるよ。もしかしたら入れて貰えるかもしれないしね。 ただ、あまり期待しないでほしい」 気を遣うようにそう返答するプロデューサー。 しかしその態度や口振りからは『急な相談は厳しい』と言わんばかりの様子が見て取れた。 そんな彼を見つめつつ、美波は『例の主従』のことについて思い返す。 「ですよね……」 「ベル・スタアさん、だったかな。アイドルになりたいという娘を拒みはしない。 でも、流石に明日参加のライブに土壇場で参加と言うのは厳しいかな……」 ベル・スタア―――――それがセイバーが出会ったというアーチャーのサーヴァントの名である。 サーヴァントとは真名を隠すものだという話を聞いていたが、まさか堂々と名乗る相手がいるとは思わなかった。 セイバー曰く、何でもベル・スタアと共闘してバーサーカーのサーヴァントを追い払ったのだという。 共闘の見返りとして要求してきたのが、今回のライブ参加。 無理ならば金銭での報酬でも構わない、とのことだった。 美波はサーヴァントのことに関して思い返す。 サーヴァントとは古今東西の英雄の化身。 人類史に名を連ねる豪傑を使い魔の枠組みに当て嵌めたもの。 美波のサーヴァントであるセイバーもまた、浮世離れした雰囲気を纏っており。 そして、あのプールで枝のような剣を抜いた時は―――――只ならぬ気迫を感じた。 なんとなく、なんとなくだが。 まるで魂や存在とか、そんな次元で格が違うような。 それだけの凄みが、彼女からは感じられた。 サーヴァントは、そういったものだと思っていた。 ただの人間とは格が違う、超級の存在。 英雄として讃えられ、歴史にその名を刻んだ超人。 そんな存在の一人が、あろうことか『ライブに出たい』と言ってきた。らしい。 英雄にも様々な性格の持ち主が居るのだろう。アイドルだって十人十色の形相を見せているのだから。 それにしたって、アイドルのライブに出演したいなんていうお願いは美波にとっても予想外だった。 (どういう人なのかしら……) プロダクションに着く前、美波はベル・スタアという名前をスマートフォンの検索機能で調べた。 名前はすぐに見つかった。どうやら西部開拓時代の無法者らしい。 『山賊女王』という異名を付けられ数々の伝説が語られた女強盗、とのことだ。 西部開拓時代風の装いを身に纏った、銃を扱う女性。 セイバーが語っていた特徴とベル・スタアは確かに一致していた。 確かに無法者ならライブに乗り込もうなんていう発想に至るのかもしれない、なんてことも考える。 それにしても、本当に彼女は本名を堂々とバラしたのだろうか―――――と、美波はふと思った。 真名の秘匿というものに余程無頓着な人なのだろうか。 あるいは実は偽名を名乗っていて、上手いこと誤摩化しているのだろうか。 考えてみても答えは出ない。 どんな人物なのかはやはり一度会わなければ解らないだろう、なんてことを思った矢先だった。 《ミナミ!》 「えっ?」 頭の中で声が反響する。 突然のことについ声が漏れてしまう。 それが自身のサーヴァント、セイバーによる念話で伝えられた言葉だと言うことに気付き。 こちらを怪訝そうに見てきたプロデューサーを誤摩化しつつ、美波は念話の声に応対する。 《サーヴァントが貴方の元に向かってきています!それも実体化した状態で、正面から――――――》 その直後のことだった。 バタン、と乱暴に事務室の扉が開かれたのだ。 美波は咄嗟に振り返った。 そこにいたのは、堂々とした佇まいで立つ――――――一人の女子高生だった。 「お前がプロデューサーだな?」 ◇◇◇ ヘリオガバルスは全てに於いてローマ史上最悪の皇帝であった。 彼は醜い欲望に身を委ね、女々しい振る舞いによって皇帝の権威を傷付けた最初の男である。 ――――十八世紀英国の歴史家、エドワード・ギボン ◇◇◇ 学生服を身に纏った金髪の少女―――もとい青年は、呆気に取られる美波を尻目にずけずけと事務室へと入る。 そのまま彼は美波を押し退け、椅子に座るプロデューサーに妖艶な眼差しを向けた。 「ライブとやらに出たい。余をライブに出せ」 彼はキャスターのサーヴァント、ヘリオガバルス。 テレビで目にした『アイドル』に惹かれ、442プロが主催するクリスマスライブへの飛び入り参加という正気を疑う目論みを立てた皇帝である。 市原仁奈らを巻き込む形での断行を決めたキャスターはすぐさま442プロへと向かい、仁奈の案内でクリスマスライブに携わるプロデューサーの事務室へと赴いた。 プロデューサーと対面したキャスターの開口一番の発言が、これだった。 突然の乱入者に、プロデューサーは唖然とし。 ニヤニヤとしたキャスターの笑みに頭を抱える。 ―――――新田さんが言っていた方といい、この女の子といい、何がどうなっているのだろうか。 事務室の椅子に座るプロデューサーは、呆気に取られたまま思う。 彼女が来る少し前にも、442所属のアイドル・新田美波が『明日のライブに出たいという方がいる』という話を持ち込んできた。 一応別の出演者が入れるだけの枠は存在しているが、それにしたって突然過ぎる。 そもそも、その『ライブに出たい方』というのは442プロ所属のアイドルではない。 それどころか、アイドルですらない素人なのだという。 何かの悪戯かと最初は思ったが、美波はこんな嘘で困らせてくるような人間ではない。 それにこの件を頼んできた時の美波の態度からして冗談にも見えない。 信じ難いことだが、この土壇場で本当にライブに出演したいという人物がいるのだろう。 「ええと、何故出たいと……」 「何故?美しき花園に余という貴き華を添えるのは当然のことであろう?」 何が当然なんだとプロデューサーは思う。 ライブに限らず、どんなイベントも綿密な計画作りや上層部や出演者との事前の打ち合わせが欠かせない。 特に出演者は何週間も前から歌やダンスのレッスンに打ち込まなければならないのだ。 長い時間をかけた積み重ねの練習、そして他の出演者との結束や連携によって初めて『アイドル』は舞台の上で輝く。 誰もが何気なく見ているライブを作り出すのは数多くのスタッフの努力であり、ステージに立つ少女達の努力でもあるのだ。 本番前日に飛び入り参加を相談されて「はい出しますよ」と気軽に出演させられるような仕事ではないのだ。 そう思っていた矢先の、『二人目』の飛び入り参加希望者だ。 本当に、何がどうなっているのか。 プロデューサーは心底そう思う。 「急にそう言われましてもね……」 プロデューサーが渋い顔をするのも当然だった。 美波の言っていた人物に関しても『上に相談してみる』と言っておいたものの、十中八九無理だろうと考えていた。 ただの素人による飛び入り参加を認めてしまえば現場の混乱は免れないだろう。 そもそも、ファン達は熱狂的に支持するアイドル達を見にライブへと来るのだ。 どこの誰とも解らない民間人を見に来ているのではない。 故に目の前の少女の参加に関しても、見込みは極めて薄いものだと思った。 彼女の容姿が優れていることは認めるが、それとこれとは話が別だ。 というか、近くでよく見たら―――――――女性ですらないような気がする。 顔つきは確かに綺麗だし、髪も女性的なのだが、女性にしては身長が高い。 腕や肩も細いことには細いのだが、どことなく男性的な線をしている。 もしかして、女装した身で少女達のライブに参加しようと言うのか。 かつてそんなアイドルがいたという噂も聞いたが、今は関係ない。 本番前日に参加の要求、ズブの素人、しかも男かもしれない人物。 こんな無茶な条件による提案を受け入れるつもりはない。 プロデューサーは青年の傍に立つ者達へちらりと視線を向ける。 青年の付き添いらしい高校生くらいの少女と、事務所に所属するアイドルの二人が視界に入る。 「プロデューサー、キャスターおねーさんはすげーんですよ! おねーさんはおとこの人達の前で『つやめかしく、みだらに』踊ったんでごぜーますよね!」 「フフフ、然り!」 「仁奈ちゃん、あの、そういうこと言わない。こいつの話まじめに聞いたら駄目だから」 「あれは余が十七の頃、宮廷の美男を……おふぅっ!?」 「だから!教育に悪いから静かにしてろ変態!」 新田美波と同じく442プロのアイドル、市原仁奈は目を輝かせながらプロデューサーに語る。 まだ小学生という幼い年頃のアイドルだ。その傍らには霊体化したライダーがキャスターの監視役を兼ねて佇んでいる。 淫惑の世界を知る筈もない彼女が、あろうことかキャスターに懐いてしまっている。 彼の持つ魅了の能力がそれを可能とし、こうしてキャスターのライブ参加を推薦してしまうほど虜にされていた。 キャスターの後方に立つマスター・南城優子はいつものように彼の脇腹を裏拳でどつき、淫らな体験談を止めさせる。 殴られているキャスターの表情はどこか気持ち良さげだったのは触れるまでもない。 「ふー……で、どうなのだ?余は「ライブに出せ」と言っているのだが?」 再びグイっとプロデューサーに近付いてきた。 強引な参加要求に加え、何やら問題発言まで行おうとしていたらしい青年をプロデューサーは怪訝に見つめる。 出来ることならば丁重に断りたい。 上に相談することも無く自分の判断で追い出そうか、とさえ考えていた。 どうやら仁奈は彼に懐いているらしく、断るに断りづらいとは想っていたが。 先程からの態度を見る限り、むしろさっさと断るべき人物である気がしてきた。 そう考えたプロデューサーは、青年の参加をきっぱりと切り捨てようとした。 そうすべきだと考えた。 だが。 「――――――――――なあ?」 プロデューサーの口から、言葉が出なかった。 唇が震え、先程まで考えていたことを口に出せなかった。 何故、どうして。 そう考えるプロデューサーの視線は、気が付けば青年に釘付けになっていた。 否、視線だけではない。 脳が青年のことを考え、心が青年のことを想い、神経が青年を求めている。 全身のありとあらゆる感覚が、目の前の彼に向いている。 心臓が高鳴る。鼓動が速くなる。 目の前の青年に恋をしているかのような感情が駆け巡る。 まるで『魅了』でもされたかのように、プロデューサーの緊張が高まる。 彼は知る由も無い。 青年の美貌によって『魅了』されていることを。 目の前の青年の麗しき容姿によって、誘惑されていることを。 それがサーヴァントであるキャスターの能力。 老若男女を問わずに視線を集め、魅惑する『美』のスキル。 聖杯戦争の参加者ですらない彼に、それを理解する余地はない。 「た、確かにスケジュールにある程度の余裕はありますが……その、貴方は当プロダクションのアイドルではありませんので……」 「余を誰と心得ている」 まあ今の貴様らには解らんか、とキャスターは苦笑しながらごちる。 宝石にも似たキャスターの瞳がプロデューサーを捉える。 彼の心を鷲掴みするかのように――――――じっと『視る』。 頬を紅潮させて緊張するプロデューサーは、その場から動けない。 青年の美貌から、麗しさから、目を離すことが出来ない。 「余を、ライブとやらに出せ」 呪文のような一言が、囁かれる。 再び、プロデューサーが心を掴まれる。 いいから帰れ。君が介入する余地なんて無い。 そう言うべきである筈なのに、プロデューサーの口はぱくぱくと動くのみだ。 そんな有様を見て、キャスターはニヤッと妖艶な笑みを浮かべる。 「いいな?」 「は……はい。喜んでお引き受け致します」 上擦った声の返答に、キャスターは満足げに微笑する。 最後の一押しは、皇帝特権よって一時的に得た魔術スキルによる『暗示』。 彼の象徴とも言える紅顔の美少年スキルでの魅了によって徐々に骨抜きにし、暗示で一気に攻め落とす。 こうしてキャスターは、とうとうライブ参加の許可を取り付けた。 ローマで堕落と淫乱の限りを尽くした皇帝が、清く可憐なアイドルのライブへと乱入することが決定したのだ。 ◇◇◇ 「はぁ……」 「優子おねーさん、どうしたでごぜーますか?」 「いや、なんでもないわよ……」 キャスターの後方で優子が小さく溜め息を吐く。 小さな女の子に心配されるほどくたびれた顔をしていることを彼女自身情けなく思ってしまう。 442プロに来た時点で、こうなることはほぼ解っていた。 というより、こうなって当然だったと言うべきだろう。 キャスターには『こういう手段』を実行できる力があるのだから。 霊体化して姿の見えないライダーが何を思っているのかは解らないが、こんな馬鹿に付き合わされる羽目になる彼には同情する。 元を辿ればライダーの良心にかこつけて同盟を結んだのは自分であるため、優子は少々申し訳ない気持ちにもなるが。 ライダーへの軽い同情を覚えつつ、内心では彼が今後のキャスターを抑えてくれることを祈る。 令呪という切り札を使わずにキャスターを抑え込むには、他のサーヴァントの助力に頼る他無いのだから。 ともかく、これで本当にキャスターがライブに参加することが確定した。 改めて考えるだけで頭が痛くなる。 『枕営業』とか変な真似をやらかさずに済んだだけよかったのかもしれないが――――などと優子が考えていた矢先。 「それで、貴方のお名前は……」 「ヘリオガバルス」 ―――――は? 優子はぽかんと口を開く。 キャスターはプロデューサーに名前を問われた。 それは解る。確かに聞いていた。 名前が解らなければ話が進まないということも解る。 だが、キャスターはそれに何と答えた。 古今東西の英雄で、その名の露呈が弱点の発覚に繋がるらしいサーヴァントが何を言った。 「余のことはヘリオガバルスと呼べ」 堂々と名乗るキャスターに、優子は唖然とした。 ヘリオガバルス。太陽神エル・ガバルの司祭であったことを由来とする異名。 それを晒すことは、ほぼ真名を晒すことに等しい。 優子はキャスターの詳しい素性は知らないが、彼の真名と異名は聞いている。 故に彼女は、驚愕せざるを得なかった。 「偽名くらい使ってくれるだろう」「流石に本名をばらすほどボンクラではないだろう」という甘い見通しが裏目に出た。 自らのアキレス腱に等しい呼び名を堂々と明かした自らのサーヴァントへの動揺を優子は隠せなかった。 「ちょっ、あんた、それ―――!」 「何か不満か?」 「当たり前でしょう!」 「ああ、マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥスの方が良かったか?」 「違う!なんでバラしてんのよ!?さっきまで、ほら、ライダーとかには別に名乗ってなかったじゃない!」 「うん?先程は別に名乗る必要がなかったのでな。だが、舞台に立つと決まればそうは言ってられぬだろう? 観衆の前に立つ美しき新参者の名を明かす必要があるのだからな」 憤る優子にキャスターは何処吹く風と言った様子で答える。 反省の色はまるで無いし、悪気も全く見えない。 自分がヘリオガバルスと名乗ることが当然であると言わんばかりにふてぶてしい態度を貫く。 そんな彼の有様に優子が憤慨しない筈がない。 ただでさえ此処まで振り回され続けたのだから、キャスターに対する苛立ちは相当のものだ。 優子はキャスターの肩を掴み、声を荒らげる。 しかし。 「ふざけんな馬鹿!ただでさえ弱いのに、名前までバレたら……!」 「言っておくが」 酷く冷たく、威圧的な声が、優子の言葉を遮った。 同時に肩を掴んでいた優子の手が煩わしげに振り払われる。 振り返ったキャスターの表情は苛立たしげで、冷ややかであり。 あの時の『悪寒』が、再び優子の背筋に走る。 「余は皇帝だ」 尊大に、傲慢にキャスターは言い放つ。 その口元は歪み、不敵で傲岸な笑みが浮かび上がる。 「観衆の前でこそこそ名を隠す支配者が此の世の何処にいる? 此処に居るのはヘリオガバルス―――太陽神エル・ガバルの司祭にして美しき皇帝。 それを諸人に示さずしてどうする」 唖然とする優子を尻目に、キャスターの言葉は続く。 太陽神エル・ガバルの司祭にして極端な宗教政策を執った皇帝。 若くしてローマの頂点に立ち、四年余り淫靡の限りを尽くした暴君。 それがキャスター。それがヘリオガバルスだ。 己が暗愚の君主として名を残していること自体は、彼自身知っている。 ローマ史上最悪の皇帝―――そんな二つ名も座の知識によって把握している。 だが、『それが何だというのだ』。 正体の露呈を恐れる者が、こんな戯れに走るものか。 外聞に怯える者が、四年に渡って皇帝の権威を傷つけるものか。 キャスターは、己の所業を恥とも思わない。 ヘリオガバルスという名を汚点であるとも考えていない。 彼は己の名と所業への評価に関心など抱いていなかった。 『己の神を信奉し』『自由奔放に生きた』。 彼にとって、皇帝として生きた四年間はただそれだけのことだ。 自制心や道徳心、それに暗黙の規範など、己の享楽と信仰に比べれば取るに足らぬもの。 敬意を払うべきは太陽神エル・ガバル。 最後まで己の権力を支えてくれた母ソエミアスも、まあ敬意を払わんでもない。 だが、それ以外はどうだって構わない。 己が望むのなら、己は何だってやる。 故に名を明かすことにも躊躇わないし、ヘリオガバルスという皇帝の名を晒すことも恥とは思わない。 キャスターは、本気でそう考えていた。 プロデューサーも、仁奈も、頑然のキャスターの異常性に関心を持たない。 寧ろ、その美しさに目を奪われ―――見惚れたままだ。 優子は僅かに震える身体を抑え、きっと睨むような強張った表情で彼を見据える。 「明日、観衆は思い知ることになる。 崇高なる余の有り様を。ヘリオガバルスという麗しき君主の名を!」 キャスターは――――ヘリオガバルスは、心底愉しみにしていた。 訪れる宴の時を、明日に控える享楽の舞台を。 己の意思を示し、満足げな笑みを浮かべたキャスターは優子の肩にぽんと手を置く。 びくりと僅かに身構えそうになった優子だったが、そのままゆっくりと近づけられるキャスターの顔に寒気を覚える。 そして、化粧を施されたキャスターの艶めかしい唇が。 彼女の耳元へと近寄り。 ぽつりと、囁いた。 「命拾いしたな、女。お前がマスターでなければ、余はその首を飛ばしていた」 ◇◇◇ 「ニッタミナミだな?」 突然話し掛けられた美波は、はっとした様子で声の方へと顔を向ける。 たった今、飛び入り参加を承諾させた新人アイドル―――ヘリオガバルスが、麗しい笑みを口元に浮かべていた。 「えっ?はい、そうですけど……」 「やはりそうか。お前もライブに出演するのだったな。 明日は宜しく頼むぞ、お前は中々に美しい。ま、余ほどではないがな」 ふっ、と微笑と共に紡がれた彼の言葉に、胸が微かに高鳴った。 金色の髪が靡き、甘い香りが美波の感覚を刺激する。 きょとんとした表情が、僅かに紅潮し。 気が付けば、部屋から去っていくヘリオガバルスの姿を目で追っていた。 複雑な表情を浮かべる優子、目を輝かせる仁奈も彼に着いていっている。 ――――仁奈ちゃん達は、あんなキレイな人と一緒にいられる。 ――――少し、羨ましいな。 彼に着いていく後ろ姿を見て、そんなことを思ってしまった。 惚けた表情で、美波は彼らを見送っていた。 ぼんやりとしたまま右手を動かし、胸に当てようとした―――瞬間。 《ミナミ、大丈夫ですか!?》 《えっ!?あ、ええ、はい!大丈夫よ……!》 セイバーからの念話が、美波の頭に響いた。 現実に引き戻された美波の心の昂りは、途端に落ち着き出した。 あんな胸の高鳴りを、他の誰かに抱くなんて――――いつぶりだったのか。 何故だろう。どうして彼女には惹かれたのだろう。 美しい容姿を持つセイバーにも、心を惹かれなかったのに。 少しだけ覚える違和感と奇妙な悔しさを隠しつつ、美波は念話を送る。 《……セイバー、あれって》 《ええ。どう見ても、サーヴァント……ですね》 取り留めの無い様子のセイバーの返答が美波の頭に響く。 あの『ヘリオガバルス』と名乗った少女は、間違いなくサーヴァントだった。 魔力の気配――――というものは、美波にはよく解らなかったが。 少なくとも、彼を視認することでステータスを見ることが出来たのだ。 何故堂々とライブに参加しようなどと思ったのか。 何か目論みがあるのだろうか。 そう思って少しばかり警戒を抱きつつ、美波はセイバーの念話の言葉を聞く。 《……ミナミが直接頼み込んでも苦い反応だった御仁が、彼女の前ではあっさりと崩されましたね。 何らかの術……それも魅了や暗示の類いを備えている可能性が高いでしょう。そちらからの干渉は避けるべきかと》 魅了。 誰かを誘惑し、虜にする才能。 『強い魂を魅了する導く魂』―――――なんてことを、セイバーに言われたのを美波は思い出す。 仕草に魅了され、その美しさの虜になるとは、ああいった気持ちなのだろうか。 『彼』に抱いた想いとはまた異なる感情の残痕に、美波は少しばかりの戸惑いを覚える。 確かに、彼女を見ていた時の自分は惚けていた。 そして、彼女に見られていたプロデューサーもまた骨抜きにされていた。 あれが暗示と魅了の力なのだろうと美波は理解する。 恐らくはスキルか宝具――――美波はまだ『ステータスを視る』という感覚に慣れていない為、魅了がどういったスキルあるいは宝具なのかを確認することまでは出来なかったが。 サーヴァントとは戦闘者のみならず、アサシンやキャスターといった技巧者も存在するとは聞いている。 ああいったことが出来る手合いも居るのだろう。 美波はセイバーの呼びかけの御陰で正気に戻ることが出来たと安心する。 美波の持つ、『他人を魅了し、魂を惹かせる』というある種ヘリオガバルスに性質を持つ強い魂。 そして既に備えている他人への強い恋慕――――――それも聖杯戦争に引き寄せられるきっかけになるほどの想い。 その二つが魅了の魔術の効果を少しでも抑えていたことを、美波は知る由も無い。 《そういえば、仁奈ちゃん……》 《どうしました?》 《市原仁奈ちゃん……あの子、442プロダクションのアイドルなの。 どうして、サーヴァントと一緒に居たのかしら……》 そうぼやいてから、美波の頭にある可能性が思い浮かぶのにさほど時間はかからなかった。 あのサーヴァントは魅了の力を持っている可能性が高い。 そして、仁奈は何故彼女に付いていっているのか。 何故彼女と行動を共にしているのか。 一つの答えが心中に浮かび上がった時―――――美波の胸の内に不安が込み上げる。 《……可能性は、高いでしょうね》 美波の心中の懸念を汲むように、セイバーは呟いた。 やはり、彼女も思っていたらしい。 仁奈はあのサーヴァントに魅了されているのではないか。 それによって友好的な関係を構築させられているのではないか、と。 マスターは恐らく、ヘリオガバルスと行動を共にしていた茶色のソバージュの髪を持つ少女の方だ。 振る舞い、言動、上下関係――――それらを鑑みるに、やはりあの少女がマスターである可能性が高い。 彼女がヘリオガバルスに憤っていたのを見るに、どうやらライブ参加は彼女にとっても不本意であったらしいが。 ともかく、仁奈を抑えられているのは危険と言わざるを得ない。 無力な人間を手元に置いている、ということは『その気になれば人質として使える』ことを意味するのだから。 例えマスターの方にその気が無くとも―――――あのヘリオガバルスというサーヴァントが、何をするか解らない。 直後にセイバーが「マスターはあのサーヴァントを制御出来ていない可能性も高いでしょう」と念話で告げてきた。 美波はその言葉に納得する。 彼女はヘリオガバルスの物言いに対し不本意な態度を示していたのに、結局は意思を押し通されていたのだから。 アーチャーはまだ制御出来る、近代の英雄である彼女は然程強力な存在ではない。 不敵で厄介な手練だが、話はそれなりに通じる―――とはセイバーの談。 しかし、マスターですら制御出来ていないヘリオガバルスはどうか。 《……セイバー、アーチャーにも連絡しておきましょう。 あのサーヴァントについて言っておきたいから。それと……》 美波はそう告げ、セイバーからの情報で携帯に登録した『アーチャーのマスターの連絡先』を見つめつつ考える。 何を企んでいるのかも解らないあのサーヴァントがライブに食い込めば、どうなるのか。 仁奈のみならず、他のアイドル、ファンも危険に晒されるのではないか。 懸念は次々と込み上げてくる。 故に美波は、セイバーに言う。 《もし、あのサーヴァントが何か企んでいたら。その時はセイバー、貴女の力を借りるわ》 《言われずとも。私は、ミナミの剣として此処に居ますから》 この世界が嘘偽りだとして。 共に切磋琢磨するアイドルや応援してくれるファン達が、例え『本物』でなかったとしても。 それでも彼女達は仲間であり、彼らは大切な人達だ。 関係ない、彼らはきっと偽物だ――――そう断言して彼女らを切り捨てられる程、冷酷にはなれなかった。 新田美波は恋をしていた少女であると同時に、希望を背負って輝くアイドルなのだから。 決意を固めた美波は、ボイスレッスンをすべくレッスンルームの一つへと赴こうとする。 しかし、唐突にセイバーが呼びかけてきた。 《――――――ミナミ》 その声は、緊迫しており。 何が起こっているのかは美波には解らないが、彼女を焦らせる機会が訪れていることは理解出来た。 《危機が迫ったら、迷わず令呪を使って下さい。……私は、少々出掛けます。 この建物へと真っ直ぐに向かってくる『魔力の気配』が感じられました》 ◆◆◆◆ 「―――――もしもし、プロデューサー!?」 「その……ごめんなさい!ちょっと寝坊というか、色々あって……」 「本当にごめん、すぐ事務所向かうから……それより!」 「皆は大丈夫か!?誰もその、危ない目に遭ってないか!?」 「幸子達が!?あいつらどうしたんだ!?大丈夫なのかよ!!」 「そ、そうか……!無事なら、良かった……」 「……え?」 「ちょっと待って、それどういうこと……」 「え、嘘だろ、加蓮が、またって……!」 「そんな筈ない!加蓮は治った筈だろ!?何の異常もないって言われて退院しただろ!?」 「また『発症する』なんて、ある筈が……!!」 「あ……その、ごめん、取り乱した……」 「…………なあ、プロデューサー」 「加蓮、今どこだ!?」 「ありがとう、そしてごめん!ちょっと先に加蓮とこ行く!!」 「あと、それと!!」 「―――――『人喰い』に気をつけろって皆に伝えといて!ライブもダメだ!!あいつらがアイドルを狙ってるんだ!!」 ◆◆◆◆ 今や獣は大きく吼える。 聖夜を待つ辺境の大地で。 枷は壊れるであろう。 獣は奔るだろう。 彼らは見るだろう。 偶像の黄昏(ラグナロク)を。 乙女達の惨い運命を―――――――。 ◆◆◆◆ 臭いがする。 肉の臭い。 獲物の臭い。 女子供の臭いだ。 赤黒い風が荒々しく、奔放に宙を駆け抜ける。 赤黒の髪を靡かせる一匹の獣が、ビルの屋上から屋上へと跳び回っている。 獲物を求めて駆け回る『人食いの獣』が空を跳んでいるのだ。 サーヴァントの筋力と敏捷性を駆使して跳躍する彼女の姿は、常人には捉えることも出来ない。 故に街を往く人々は、赤黒き獣の存在に気付くことは無い。 平穏のすぐ側に存在する異形の者を知る由も無く、日常を過ごし続ける。 バーサーカーのサーヴァント――――ジェヴォーダンの獣。 人間の業が生み出した望まれぬ生命にして、数多くの人間を喰らい殺した魔獣。 その在り方はこの場でも変わることは無い。 反英雄として召還された彼女は、相も変わらず血肉のみを求める。 もっと。 もっと、欲しい。 もっと、喰らわねば。 『そうしなければならない』。 『殺さなければならない』。 獲物は何処だ。 肉は何処だ。 餌は何処だ。 何処だ。 何処だ何処だ何処だ何処だ何処だ。 ただただ、求め続ける。 彼女の脳を埋め尽くすのは、貪欲なまでの意志。 彼女の鼻を瑞々しい香りが刺激し続けている。 本能で駆け回る彼女は、誘蛾灯に引き寄せられる虫のように『臭い』の宛へと向かう。 飢えた眼差しで世界を見下ろす獣の口は赤く汚れ、牙は紅に塗れている。 明け方の戦闘の後、既に彼女は幾人かの人間を喰らっていた。 全て、若く可憐な女子だった。 アイドルを殺せ。 それが主である『もう一人の人食い』によって彼女に下された令呪。 アイドルとは、何だ。 『彼』が憎み、殺すことを望むアイドルとは何だ。 獣としての本能で思考した。 彼女の価値観で解釈した。 その結果、辿り着いた答え。 少女だ。 あの時、自分と打ち合った『剣士』と共にいた少女。 『彼』が殺さんとし、途中で打ち止めにした少女。 あれと同じニオイを発する者が『アイドル』だ。 つまり、若く瑞々しい女子を喰らえば良い。 その中でも、あの少女により近い臭いを発する者がいれば――――――――それを優先的に狙えば良い。 ジェヴォーダンの獣は、本能で解釈した。 それから彼女は、少女を獲物として狙い続けている。 臭いが、次第に近付いている。 濃い。 どんどん濃くなっている。 先程の獲物よりも濃密で、そしてより近い。 『あの少女』に似た香りが、獣の鼻を刺激する。 彼女は本能的に察知する。 あいつらがいる。 『アイドル』がいる。 近くにいる。 この先にいる。 潰す。 抉る。 嬲る。 殺す。 食う。 食って食って、食い尽くす。 それが彼女の本能。 そして―――――――彼の望み。 だが。 彼女は、足を止めることになる。 臭いとは異なる『複数の気配』を感じ取ったからだ。 そのうちの一つが、すぐ側にまで接近している。 否―――――既に前方に『立ちはだかっている』。 とある高層ビルの屋上に着地した獣は、十数メートル離れた位置に立つ敵の姿を見据える。 喉の奥から、獅子の如き唸り声を上げる。 眼前の影を威嚇しつつ、牙を剥き出しにする。 対する『敵』は、無言で獣を見据える。 野生に塗れた表情を浮かべる獣とは裏腹に。 目の前の存在は、落ち着き払った佇まいで視線を送っていた。 「……『獣』ですか」 獣の正面に立ち塞がる『敵』。 それは、黒煌の戦乙女だった。 焔で編み込まれた鎧を身に纏い、黒い髪を風に揺らす麗人。 貧相で野性的な装いの獣とは対照的な整った出で立ちだ。 戦乙女は奇怪な棒状の武器を握り締め、十数メートル程離れた位置に立つ『獣』を見据えている。 「私のマスターは、『今はまだ』貴方を積極的に刈り取ろうとは考えていません」 戦乙女が、語りかけるように呟く。 首を傾げるような動作をしつつ、獣は乙女を見据える。 その姿は、凛としており。 されど、何処か虚無的な――――――歪なようにも見え。 美しさと虚しさを身に纏った戦乙女は、淡々と言葉を続ける。 「されど、彼女の在るべき場所を踏み躙ろうと言うのならば。 私とて、容赦をするつもりもありません」 戦乙女の言葉に、敵意が滲む。 獣が僅かに身構える。 『それ』を本能で感じ取ったからか。 「それでも全てを喰らわんとするならば、来なさい」 空気が、揺らいだ。 戦乙女の心に火が灯った。 それは情熱ではなく。 黒く、禍々しい熱であり。 びくりと、獣の背筋が微かに震えた。 恐怖か。自分はアレに一瞬でも怯えたのか。 獣はそれを知覚する。 未知の畏れに、彼女は戸惑いを覚える。 そして、戦乙女が――――――再び口を開いた。 「貴様が相対するのは、天地を灰燼に帰す焔だ」 ―――――戦乙女の肉体から、焔が溢れた。 獣の本能が感じ取った。 あれはヒトか。 否、違う。 炎だ。 おぞましい業火だ。 黒い、黒い、死の滾り。 歪に燃える『黒き者』。 そして。 乙女は。 黒い焔を滾らせながら、嗤っていた。 獣の内に込み上げた危機感と、恐怖。 『アイドルを殺せ』と言う令呪の効力。 それらが獣を動かした。 此処で奴と戦うべきではないと、判断させた。 ◆◆◆◆ 「1・2・3・4!5・6・7・8!」 振り付けのリズムを示す女性トレーナーの通った声。 キュッ、トン、とシューズの底が床へ小刻みに打ち付けられる音。 レッスンルームに響くのは『新人アイドル』の研鑽の音色だ。 本日付でアイドルとなった彼女はレッスンの真っ最中であった。 彼女の励む様子を、プロデューサーが見守る。 「1・2・3・4!5・6・7・8!」 女性トレーナーの振り付けに合わせ、『新人アイドル』がそれに追従して踊る。 アイドルとして正式に採用されてから半日も経っていない。 にも関わらず、彼女はプロさながらの動きでダンスをこなしていた。 揺れる金色の髪から覗く表情は、まだまだ余裕に満ちている。 それどころか、不敵に笑ってさえいる。 「はい、ここでステップ!そしてターン!」 軽やかなステップ。 そしてフィニッシュ、くるりと身体を回転。 そのまま――――決めポーズ。 踊りきってみせた新人アイドルの『皇帝』は、艶めかしいしたり顔を浮かべた。 皇帝アイドル、ヘリオガバルス。 卑しい夢に向かって努力の真っ最中である。 逸材。そんな言葉がトレーナーの脳裏をよぎる。 ダンスレッスンを終え、レッスンルームの外のベンチに腰掛けるヘリオガバルスに「おつかれさま」と声を掛ける。 初めて目にした時からその美貌に心を奪われた。 それだけでも衝撃的だったのに、これほどの短時間で曲の振り付けをマスターしてしまうとは。 いったい彼女は何者なのだろうか。 トレーナーはそんなことを思いつつ、ヘリオガバルスを労う。 「凄いですね、ヘリオガバルスさん。まさかこの短時間で振り付けを殆ど覚えてしまうとは……」 「ふふ、かつてを男達の目を楽しませる為に芝居や舞に興じたこともあったのでな!この程度は造作もない! 時には芸の最中に衣服を脱ぎ捨て裸身を晒し、男達の淫らな情欲を一身に受けたことも……あふゥッ!?」 嬌声にも似た苦悶の声を上げた。 ヘリオガバルスの隣で不満げに座り込んでいた優子が、その脇腹に肘鉄を叩き込んでいたのである。 「いい加減にしろ馬鹿!そんなこといちいち言わなくていいから!」 「舞踊を終え、艶めかしき肉体に汗が滴る余を蹂躙するか?フフフ、それも良かろう! なら存分に楽しませて……んほぉっ!いいッ!!」 「もう黙ってなさいアンタは!!」 「キャスターおねーさんと優子おねーさんは仲良しでごぜーますね!」 「違うから!!」 優子がど突き、ヘリオガバルスが悦び、仁奈が無垢な反応を返す。 さながら度の過ぎた漫才のような掛け合い。 三人の美少女の異様なやり取りに困惑するトレーナーを尻目に、ヘリオガバルスは恍惚とした表情を浮かべていた。 「あの、そういえば南城さんはいいんですか?折角ヘリオガバルスさんも出るんですから、貴女もご一緒に出演とか……」 「あー、いや、別にいいかなって感じですね……」 トレーナーさんからのお誘いをやんわりと断る。 優子も女子だ。ああいう煌びやかな舞台に憧れていた時期も無くはなかった。 そんじょそこらのアイドルにも負けない容姿を持っていることも彼女自身、自負している。 だが、少なくともヘリオガバルスと一緒にステージに立ちたいとは思わない。 ヘリオガバルスと切磋琢磨してレッスンするのはもっと嫌だった。 そういう訳で、結局優子の立場は『キャスターの付き添い』以外の何でもなくなっている。 とうのヘリオガバルスはトレーナーやスタッフに『ユウコは余の友人である』と心にも無いであろう紹介を気さくにやってのける。 それ優子に取って不愉快で仕方が無かったのだが、口には出さず。 代わりに、心底疲れ果てた様子で溜め息を一つ吐いた。 ◇◇◇ たのしみだなー、と心から思っていた。 仁奈は、明日のライブが楽しみだった。 楽しみだったライブに綺麗なキャスターおねーさんが加わり、もっと賑やかになる。 きっと、もっともっと楽しくなる。 明日のステージはもっとキラキラ輝く。 そう思うと、ニコニコが止まらなかった。 聖杯戦争。 与えられた偽りの日常。 人食いと、道化師。 仁奈は、本来マスターなら意識すべき事柄を殆ど認識していない。 彼女にとってライダーは友達であり、従者などとは思っていない。 優子達を敵だとも思っていない。 他の主従が命を懸けてこの戦いに臨んでいることも理解しておらず。 ましてや、自分がその土俵に立っていることなど――――――知る由も無い。 だから、楽しかった。 キャスターおねーさんと一緒にいられる今が、嬉しかった。 キレイで、かっこよくて、セクシーで、やさしくて。 そんなキャスターが仁奈は大好きだった。 優子おねーさんに叩かれてるのはかわいそうだけど、少し微笑ましかった。 不思議とふたりは仲良しに見えたから。 きっと、みくおねーさんと李衣菜おねーさんと一緒だ。 仲良しだからこそ、いつもああいう風に『かいさん芸』みたいなことが出来てしまう。 だから仁奈は、ニコニコと見守ってしまう。 たのしみだなー。 仁奈は、明日の平穏を決して疑わない。 当然のように明日はライブに参加して。 そして、努力の成果をめいっぱい出せるのだと、信じて疑わなかった。 だからこそ、もしもの事態なんて考えていない。 「……奈緒の言った通りになりそうだな……」 自販機の傍の壁で、携帯を片手にプロデューサーが何かぼやいていた。 困ったような、やっぱりと思っているような。 そんな複雑な顔を浮かべて、腕を組んでいた。 そのままプロデューサーは、廊下を歩いていく。 「おいプロデューサー、何処へ行く?」 「加蓮の病状の再発と、今朝の幸子達の生放送中の事件を受けて……緊急の会議だよ」 キャスターの呼び止めに、プロデューサーが答えた。 仁奈はぽかんとした表情を浮かべる。 ――――――加蓮おねーさんの、びょーじょーさいはつ? ――――――生放送中のじけん? ――――――きんきゅー、かいぎ? たまに一緒にレッスンしてくれた優しい加蓮おねーさんの『びょーじょー』がさいはつして。 幸子おねーさんや小梅おねーさん、輝子おねーさんの生放送中に、何かあって。 そして、きんきゅうのかいぎが開かれる。 仁奈の中で不安が急激に込み上げた。 何か嫌なことが起こりそうな気がした。 悲しいことが、つらいことがありそうな気がした。 そう思った途端、彼女の表情は途端に不安げなものへと変わり始める。 そして、彼女の中の懸念は。 すぐに、実を結ぶことになる。 「多分、ライブは中止になるだろう。申し訳ない――――」 「え?」 プロデューサーの一言に、唖然とした。 中止。中止?ライブを? 仁奈の頭の中は真っ白になった。 明日は、何事も無く楽しいライブが出来ると思っていた。 キャスターおねーさんも加えて、皆でせいいっぱい頑張って。 そして、ファンのみんなからカワイイ、カワイイって褒められて。 すっごく幸せな気持ちになると思っていた。 だから仁奈は、とても悲しくなった。 プロデューサーの言葉に、泣きそうな顔になり――――――― 「―――――何だと!?おい、どういうことだ!余の舞台だぞ!!」 そんな中、ただ一人だけ激怒する者がいた。 キャスターが、見たことも無い顔で取り乱していた。 ちょっと待って、と優子が彼を止めようとした。 だが、彼は彼女の手を容赦なく振り払い。 肩を怒らせながら、怒声を上げた。 「おいプロデューサー、案内しろ!会議の場へ!!」 その時のキャスターは、烈火の如く怒り狂っているのに。 何故だか、仁奈の目には――――――いつもよりキレイに、キラキラと輝いている風に見えた。 彼が己の『魅了スキル』を全力で発揮していることは、知る由も無い。 両目に溜めていた涙を拭い、仁奈は再び笑顔を取り戻した。 ◇◇◇ 《おねーさん、みんなでライブ出来るようにえらい人達の所にいったでごぜーますね?》 《……そうみたいだね。きっと彼女が話を付けてくれる筈さ》 霊体化した状態のライダー――――オシーンは、複雑な心境だった。 プロデューサーの言葉に涙ぐんでいた仁奈の表情に、明るさが戻っていた。 それは紛れもなく、キャスターのおかげだった。 あのヘリオガバルスと名乗る危険なサーヴァントが、結果的に仁奈の涙を拭ったのだ。 《うれしいなー……おねーさんはやっぱりすげーです》 仁奈の顔に張り付く笑顔と、憧れ。 あのキャスターに思慕を抱いているのは、端から見ても明らかだった。 しかし、それも『魅了』の力によるものだ。 スキルによって偽りの感情でしかない―――――と断言出来る程、ライダーは冷淡にはなれなかった。 仁奈の笑顔を守る為に、自分は戦う。 そう誓ったのだ。 自分と同じ、悲しみを味合わせてはならない。 彼女の騎士として振る舞い、彼女を必ずや父君と再会させる。 ライダーはそう決意している。 その過程で彼女に涙を流させることは、しない。 乙女の笑顔を、護り続けなくてはならない。 故に――――――ライダーは、キャスターを止められない。 ライブを護ることは、仁奈の笑顔を護ることに繋がる。 ライブを護れなければ、仁奈に先程のような悲しい表情をさせてしまう。 例えキャスターが己の快楽を目的にライブを利用しようとしていたとしても。 ライダーには、彼を止められない。止めることを躊躇ってしまう。 だからこそ、ライダーはキャスターを見過ごした。 『仁奈の為にライブを続行させる』という形で、彼を利用したのだ。 《ライブ、楽しみでごぜーますね、ライダー!》 仁奈は、何も知らず。 無垢な表情でそんなことを言う。 ―――――だが、それでいい。 苦難を背負うのは、自分だけで構わない。 悲しみを背負うのは、自分だけで良い。 幼き淑女に涙は似合わない。 《ああ、私も楽しみさ!何せレディ・ニナの晴れ舞台なのだからね!》 だからこそ、ライダーも気丈に応える。 仁奈を不安にさせない為にも、辛い思いをさせない為にも。 ライダーは、『フィオナ騎士団の英雄オシーン』で無くてはならないのだ。 懸念はある。 人食いの主従、道化師の主従。 プロデューサーが言っていたカレンという人物の病状再発、生放送中の事件。 あの油断ならぬキャスターの存在。 そして――――――たった今感じ取っている、魔力の気配二つ。 それが新田美波のセイバー、人食いのバーサーカーのものであることを知る由は無く。 魔力の気配のうち一つは、直後に気配が途切れた。 消滅による脱落にしては、戦闘での激しい魔力の放出が感じられない。 恐らく逃走したか。 どちらにせよ、この近辺にサーヴァントが潜んでいることは確実だった。 もしかすると、仁奈のようにプロダクション内にマスターが潜んでいるのかもしれない。 だとすればますます気を引き締めなければならない。 仁奈に迫る危機を払う為にも、自分が戦わねばならない。 例え味方が居らずとも、たった一人で戦うことになるとしても。 それでもライダーは、構わない。 護るべき者を守る為に戦う時――――――乙女の為に戦う時、騎士は何よりも強くなるのだから。 ◆◆◆◆ Hr��vitnir やがて『悪名高き狼』となるかもしれない魔獣か。 あるいは、ただの凶暴な犬畜生か。 どちらにせよ、災いを齎すことには変わりないだろう。 ビルの屋上に立つセイバーは、たった今逃げられたバーサーカーのことを思い返す。 スルト/スキールニール。 彼女は人理が世界を覆う前―――――神代の世界に生きた英霊であり、世界を破滅へと導く巨人である。 つまり、人類史が始まるより以前の神秘に覆われた時代に存在した神話の英霊。 神を殺し、世界樹(ユグドラシル)によって形成された世界を劫火で焼き付くし、神話の時代を終結させた終焉の使徒。 その格は、並の英霊の比では無い。 数多の人間を喰らった死の獣でさえも、彼女の前では身を竦める。 (……ミナミ) 主の顔を、脳裏に過らせる。 あの人食いに加え、ヘリオガバルスと名乗るキャスター。 紅き稲妻を操るあの甲冑のバーサーカーとの決着も未だ着いては居らず。 美波の身に迫る危機は、着実に増えている。 状況がますます混沌としてきた。 癪だが、あの大胆不敵なアーチャー―――ベル・スタアと連携を取り続ける必要は着実に増している。 彼女は食えない厄介者ではあるが、実力は確かだ。 自らの弱さを理解した上で強かに立ち回ることが出来る、ある種の強者だ。 奴は恐らく、自分との実力差も理解しているだろう。 ライブ参加の取り付けも、後ろから刺されないようにする為の保険の可能性が高い。 戦力を必要とする序盤では、少なくとも裏切りはしないだろう。 (あの獣のバーサーカーも、無視出来ない存在になってきていますね) 同時に、獣のバーサーカーがプロダクションの近辺を彷徨っていたことも懸念だ。 今回は戦わずして追い払うことが出来たものの、何時奴が再び襲撃を仕掛けてくるか解らない。 明日のライブの時にでも襲撃されれば、被害と混乱も免れないだろう。 決して油断は出来ない。次に相見える時は、必ずや討ち払う。 そして――――――あの異様なキャスター、ヘリオガバルス。 奴の目的は何なのか。何を狙ってライブに乗り込んできたのか。 理解し難いのが不気味だ。もしや、本当にライブに出たいだけだとでも言うのか。 だとすれば、相当の愚者であるとしか言い様が無い。 しかし、あれもあれで厄介なのは確かだ。 奴は魅了の力を持つ可能性が極めて高いのだから。 故に美波を下手に接近させることは危険だ。 可能な限り交流は避けるように注意しておいた。 あの他人を魅了する美貌と欲望に忠実な奔放さは、フレイと同じ豊穣神にして双子の妹であるフレイヤを思わせる。 否――――――『あれ』を彼女と比べるのは、流石に烏滸がましいか。 心中で己の無礼を戒めつつ、美波に念話を送った。 《ミナミ、例のバーサーカー……人食いを目撃しました》 ◆◆◆◆ 昨今、世間を騒がせている連続殺人事件。 ライブ会場での出火騒ぎ。 退院したばかりだった北条加蓮の『奇病』の再発。 朝の報道番組での『人食い殺人鬼』襲撃事件。 思えば、危険な事態が余りにも連続していた。 祟りか何かだろうか――――等と、柄にも無いことを考える。 そんな非現実的な話がある筈も無い。 不幸な事態が偶然連続して起こった、そう考えるべきだろう。 例えどれだけ状況が奇怪であっても、それが事実である以上は事実を超えられない。 アイドルを含めた関係者の危険を保障し切れないことも事実だ。 ならば、然るべき対応を取らなければならない。 会議室へと向かう彼女―――専務は、442プロダクションのアイドル部門を統括する立場の人間だった。 あるプロデューサーが提案したクリスマスライブの企画を受け入れ、実行に移したのも彼女だ。 クリスマス・イブでの多数のアイドルが出演するライブ。 それは大きな収益となるだろうし、ファンにも喜ばれるだろう。 しかし、そうも言っていられない状況になった。 アイドルやファン、関係者には申し訳ないが―――――これ以上はこちらでは対処し切れない。 警察でも対処出来ていないという『人食い殺人鬼』がアイドルの仕事場まで乗り込んだとなれば、黙ってはいられない。 ライブを実行するには危険が残り過ぎている。 故に、一先ず中止――――埋め合わせのライブ企画を立てられれば其れで善し。 最悪の場合、企画の凍結もやむを得ない。 こちらとて不本意だ。しかし、アイドル達を危険に晒す訳にもいかない。 彼女達には悪いが、後ほど事情を説明して納得して貰うとしよう。 長い廊下を歩き、会議室の扉を開く。 既に複数名のスタッフが席に座っている。 彼らも薄々察しているだろう。 これから何を言い渡されるのか。 ライブが今後どうなるのかを。 プロダクション内でも囁かれていたという。 危険な事件が未だ解決していないらしいじゃないか、本当にライブは開けるのか、と。 生憎、その通りになってしまった。 申し訳ないと思うが、仕方の無いことだ。 彼らにも説明を果たし、納得して貰う他無い。 それしか、出来ることは無い。 ふう、と専務は一息つく。 正面に立ち、会議室に集まった者達を見渡す。 一人―――――肝心の『プロデューサー』がいない。 何をしているのだろうか。 遅刻をするとは、アイドルのプロデュースを請け負う自らの立場を解っているのだろうか。 少し眉間に皺を寄せた彼女は、予定の時間になったことを確認する。 遅刻した者を待ってやる程、自分は甘くはない。 始めるとしよう。 クリスマス・イブの夢は、一旦幕を下ろすことになる。 本意ではないが、致し方無い。 「皆に集まって貰ったのは―――――――」 「余を見ろ!!貴様ら全員、余を見ろッ!!!」 バタン、と乱暴に入り口が開かれた。 直後に怒声が轟いた。 誰もが驚愕し、そちらへと顔を向ける。 当然、彼女もそうだった。 「中止だと!?誰の赦しを得ている!?」 そこにいたのは――――――――美しき少女だった。 それが『飛び入り参加を果たした新人』であることを理解するのにさほど時間はかからず。 その傍らには、例のプロデューサーの姿もあり。 少女は、心底不本意な様子で怒りの声を上げていた。 「出演者や観客の安全とやらの為に余の享楽が興醒めのまま終わるというのか!? そんな戯言が通じると思ったか。終わらせるものか!妨げられてたまるものか!!」 轟く怒りの声。 撒き散らされる憤怒。 誰もが唖然としていた。 何だ君は。何故勝手に入ってきているんだ。 そんな抗議の声も上げることも出来ず。 ――――――――怒り狂う彼に、誰もが見蕩れていた。 「太陽神エル・ガバルの司祭ヘリオガバルスが告げる!ライブは『予定通り開催』だ!!」 高らかに宣言する、その姿に誰もが飲み込まれていた。 なんて美しいのだろう。 なんて可憐なのだろう。 なんて艶めかしいのだろう。 誰もが魅了されていた。 少女を中心に、渦が生まれていた。 彼らは気付かない。 ヘリオガバルスの怒りによって全力で行使された『魅了』によって、虜にされていることを。 昂る感情と共に行使された『魔術』によって、思考を支配されていることを。 目の前のヘリオガバルスが、この空間を支配していることを――――――! 「……解りました」 頬を紅く染めた専務の口から―――――自然と、言葉が溢れていた。 只の人間である彼女らに、抵抗の手段等持たない。 責任者である専務が『予定通り開催』を受け入れた以上、ライブは終わらない。 ライブは、続行だ。 ◇◇◇ 「ふーっ………」 肩を揺らし、息を整える。 怒りの余り、取り乱してしまった。 不本意な事態になると、つい激情に駆られてしまう。 生意気な口を利く家庭教師を衝動的に殺したこともあったな、と過去の経験をふと思い出す。 だが、まあ結果としては上々だ。 ライブが始まる前に終わってしまう所だった。 余の美しさによって強引にでも続行させることが出来てよかった。 ヘリオガバルスは会議室の者達を見渡し、満足げに笑みを浮かべる。 皆が皇帝に見蕩れている。 誰もが皇帝に魅了され、胸を高鳴らせている。 これでいい。やはりこの空気が心地良い。 一先ず安心してから、ライブがますます楽しみになってきた。 今度はこの程度の規模では終わらない。 会場に集まった数百、あるいは数千を超える人間に魅了を掛けることが出来るかもしれないのだから。 薔薇の雨に埋もれさせることも面白い。手段は数多だ。 そうだ、陣地作成スキルを使うのも面白いかもしれない。 会場を外見そのままにヘリオガバルスの神殿とするのだ。 そうすればライブ会場は皇帝の独壇場へと変貌する。 魅了を使って現場に介入すれば如何様にもなる。 他の下郎共が邪魔してくるならば、その時はその時だ。 恐らくはあの道化師や獣もこのライブを嗅ぎつけてくるだろう。 ああいう遊び好きの手合いは派手な祭りに引き寄せられるもの。 特に獣の主―――――奴は、生放送の現場に殴り込みをかけてきたという。 会議場へ向かう途中、プロデューサーからそれを聞いた。 何らかの理由でアイドルを狙っているのかもしれない。 奴がライブ会場に来ない保障は無い。 とはいえ、その時は――――あのライダーをぶつけてやればいい。 どうせ奴は優子と何らかの形で組み、皇帝に対する牽制の為に仁奈の傍にいるのだろうが。 万が一あの下郎共が現れれば、余なんぞに気を配っている暇など無くなるだろう。 そうなれば、後は奴に下郎共の始末を任せればいい。 抹殺してくれればそれで良し。自らが手を下すことなく目障りな下衆共を排除できる。 返り討ちに遭っても、それはそれで良し。奴はいずれは始末すべき存在。 余を見張らんとしている目障りな下郎を獣と道化が狩ってくれるのも悪くない。 そして、このプロダクションの近辺に存在していた魔力の気配をヘリオガバルスは察知していた。 何者かは解らないが、少なくともライブ会場に堂々と殴り込みを掛けるような思考を持つ者は早々いないだろう。 そんなことが出来るのはあの獣共のような余程の馬鹿か、この皇帝のような粋な傾奇者だけだ。 乱戦に至る心配は薄いだろう。もしかすると、あのライダーのような善人が他にもいるかもしれない。 その時は、利用してやればいい。 (それに――――) もし、ライダーと獣や道化が戦ったとして、どちらかが勝てば。 勝ち残った方は、疲弊していることだろう。 最後にその隙を突いてやれば、余は労することなく敵を排除できる。 尤も、無理なら無理で適当に今後の身の振り方を考えればいいだけのこと。 ライダーを始末した暁には、仁奈は手元に置いてやってもいい。 あの小娘は物の道理を解っている。 従うべきは余。尊ぶべきは余。それを理解している。 そう言った手合いは、それなりに丁重に扱うつもりだ。 ああ、何と寛大であることか。ヘリオガバルスは己の器の大きさに酔う。 むしろ奴らが連中を抑えている隙に観客を相手に魅了を掛けてやるのも面白いかもしれない。 獣共にかまけている隙に、会場は淫乱の限りを尽くされている――――その時のライダーの絶望の表情を見てやるのも一興。 ああ、実に楽しみだ。 宴の時は迫っている。 ◆◆◆◆ ―――――切り払う『死』。 ―――――煌々と燃え盛る焔。 ―――――血に塗れた主君。 ―――――『彼』は、間に合わなかった。 ―――――微睡みの中で、少女は見た。 ―――――何故だか、悲しくなった。 ◆◆◆◆ 腕を組み、足を揺らす。 その表情は苛立ち、焦り。 同時に、不安が浮かんでいる。 ラジオからは延々と『アイドルの生中継現場襲撃事件』の速報が流れ続けている。 神谷奈緒は、焦燥していた。 急いで掴まえたタクシーの後部座席に座りながら、物思いに耽っていた。 奈緒は気絶から目覚めた直後、すぐにセイバーと情報交換を行った。 あの『人食い』がアイドルを狙い、令呪を使ってバーサーカーを動かしたことを伝えた。 彼は、奈緒を挑発するかのようにアイドルの皆殺しを宣言したのだ。 気絶によってそれなりの時間を消費してしまった奈緒は焦っていた。 このままでは皆死ぬ。そもそも、既に被害が出ているのではないか。 不安を募らせた奈緒は、プロデューサーに遅刻や人食いへの警告を伝えるべく電話をかけたのだが。 そこで奈緒は、信じられない情報を知ることになる。 加蓮が『以前と同じような症状』で再び倒れたのだ。 馬鹿な。そんな筈が、あいつの症状はセイバーのおかげで治った筈だ。 兎に角、奈緒は加蓮が心配だった。何が起こったのか確かめたかった。 それ故に加蓮がいるという病院へと向かったのだが―――――もう一つ、やはり『人食い』の懸念があった。 《……セイバー》 《どうした、主殿》 《セイバーは、事務所に向かってくれ》 奈緒は、護衛として付き従うセイバーに念話でそう告げる。 彼に頼んだのは、事務所へ向かうこと。 つまり442プロダクションのアイドルの守護を意味する。 意図はセイバーにも解る。 『人食い』によるプロダクション襲撃を防ぐ為だろう。 親友である加蓮を感情で優先してしまったが――――プロダクションの皆だって護らなければならない。 人食いの襲撃。加蓮の病状の再発。 此処まで来て、ライブが何事も無く予定通り決行される可能性は低いだろう。 きっと中止になる。でも、それでいい。 ライブの練習や、皆との切磋琢磨が無駄になるのは悲しい。 だけど、もうライブなんて言っている場合じゃない。 皆が殺されるかもしれない。今は皆の命が優先だ。 命あっての物種、生きていれば後で立て直せる。 例えこの世界が偽物でも、プロダクションの皆を見捨てたくはない。 何故なら、奈緒はアイドルなのだから。 《あいつらが、皆を―――――》 《否、俺も病院へ向かうとしよう。主殿の友の病状も確認しておきたいのでな》 だが、セイバーは奈緒と共に病院へと向かうことを選んだ。 えっ、と奈緒は呆気に取られる。 直後に「何でだよ」と声を上げそうになったが、それよりも先にセイバーが念話を送る。 《人食いは“あいどる”を狙った。其れらを喰らうには主殿が務める事務所を襲撃するのが手っ取り早い。 だが、奴はそうしなかった。敢えて外部にいる者を狙ったのだ》 セイバーは冷静に状況を分析するように語る。 確かに――――アイドルを殺すのなら、プロダクションを狙う方がよっぽど早い。 少なくとも、虱潰しに外に居るアイドルを狙うよりは遥かに効率的だ。 だが、あの人食いはそうしなかった。 奈緒が気絶している間にも、プロダクションを襲撃したりはしなかった。 プロデューサーに電話をした所、プロダクション内で異変は起こっていなかったのは確実だ――――加蓮の件を除けば。 《奴らは……事務所を襲いはしないであろう。恐らくは、一人一人刈り取っていく算段だ》 奈緒は、息を飲む。 あいつは、あの人食いは―――――そうやって、自分の心を折るつもりなのか。 奈緒の胸の内に恐怖が込み上げてくる。 《その上で、「輿水幸子」という少女らは生還している。 警察とやらですら対処出来ないあの化物の強襲から生き延びたと言うのだ。 恐らく、俺達と同じように怪物を止めんとする主従がおり、其奴に阻まれた……少なくとも俺はそう見ている》 言われてみれば、そうだ。 幸子達はテレビの生放送中に『人食い』に襲撃された。 あいつには警察ですら太刀打ち出来ない。なのに、生き延びた。 運が良かった?奇跡的に逃げられた?そんな相手ではない。 あいつの力があれば、追いかけて殺すことだって訳も無いだろう。 でも、幸子達は無事に逃げ延びた。 それは何故か。 自分達と同じように人食いを止めようとしている主従がいる、ということの証明ではないか。 そう言われれば、確かに納得出来る。 それでも、やっぱり不安はあると奈緒は告げようとしたが――――― 《……それに、胸騒ぎがする。今は主殿の友人の元へと向かうべきだと、俺は思っている》 奈緒の背筋に、寒気のような感覚が走った。 自分よりもよっぽど戦い慣れしてて、よっぽど『そういうこと』に聡いセイバーが、胸騒ぎを感じている。 そう考えた途端、奈緒の恐怖と焦燥はより強く込み上げてきた。 奈緒は、何も言葉を返さなかった。 事務所の安全をある程度保障されたのも、ある。 しかし、何より―――――親友である加蓮のことが、気になって仕方が無かった。 突然再発した病状。そして、セイバーが感じた胸騒ぎ。 何か、何か解らないが。 それでも、加蓮に何らかの危機が迫っていることは理解出来た。 ならば、一刻も早く加蓮のもとへ向かいたかった。 今の奈緒には、病院への到着を待つことしか出来ない。 今はただ、願うことしか出来ない。 加蓮の無事を、祈ることしか出来ない。 「……間に合ってくれ……!」 奈緒の口から、言葉が漏れていた。 切実な表情を浮かべながら、彼女は拳を握りしめる。 脳裏に、『燃え盛る焔』が過った。 人食いと相対し、気を失っていた時。 彼女は、奇妙な夢を見ていた。 『彼』は死を切り払い、突き進んでいた。 『燃え盛る焔』を目に焼き付け、誰かを支えていた。 しかし、結局間に合うことは無く。 それが何なのか――――――彼女には、解らなかった。 ◇◇◇ 『それは、駄目だ』 『加蓮……みんな……助けなきゃ』 あの人食いとの初戦。 主が呟いた言葉を、セイバーは自らの脳裏に過らせていた。 人食い共は、主と同じ『アイドル』を狙っている。 彼女らを殺すべく、令呪すら切ったという。 決して見過ごす訳にはならない。 何としてでも凶行を食い止めねばならぬ。 主は、神谷奈緒は戦っている。 あの化外共から友を守る為に、必死に動いている。 まだ若い女子であるのに、何処までも気概のある御仁だ。 セイバーは彼女へ心からの感心を抱いていた。 故に、彼女の期待を裏切りたくはなかった。 彼女の努力が実を結ぶかは未だ解らない。 されど、実が結ぶよう後押しをすることは出来る。 決して無駄にはさせない。 主を支え、必ずや彼女の望みを叶える。 それが己の役目だ。 それが主に仕えし、従者の使命だ。 今の己は、源頼政だ。 その名に恥じぬ英雄として、戦わねばならない。 それが『生前の主』に成し得なかった理想だったのだから。 己は、其れを背負って戦っている。 沸き上がる疑問は数多。 何故あの『症状』が再発したのか。 北条加蓮を蝕む怨霊は、確かにこの『目』で殺した筈。 形無き鵺を切り伏せることで手にした『死を視る魔眼』は、あらゆるものの死の形―――線や点を捉える。 死の形を断ち切られた者は、例え悪霊であろうと完全な『死』を齎される。 再び蘇る筈が無い。そしてあの悪霊は、“さあばんと”の使い魔の類いでもない。 ならば、何故だ。 何らかの形で『怨霊の力』を再現する者がいると言うのか。 兎に角今は、北条加蓮の状態を見ておきたい。 彼女がどうなっているのか、何が起こっているのかを確認せねばならない。 そして―――――――この胸騒ぎの正体を、解き明かしたい。 心眼スキルによる第六感なのか。戦の中で培った直感によるものか。 あるいは、ただの思い違いなのか。 己の判断が誤っていないことを、切に願う。 “ぷろだくしょん”と“あいどる”の無事を祈る。 向かわねばならない。北条加蓮が搬送された病院へと。 自分は、遅れてしまった。 護るべきものを掌から零してしまった。 主殿に、己と同じ経験をして欲しくはない。 どうか―――――間に合ってくれ。 ◆◆◆◆ 令呪の感覚が全身を駆け巡る。 『アイドルを殺せ』という命令が彼女の肉体を動かす。 セイバーと対面し、撤退したバーサーカーが再びビルの上を飛び交っていた。 本能が避けた。令呪の命令が拒ませた。 あのセイバーと戦うことを、否定させた。 それが正しい判断であったかは、解らない。 だが、今の彼女は走ることしか出来なかった。 令呪の魔力の高まりが獣の神経を震えさせる。 それを通して感じたのは、主の憎しみ。 人食い/タキザワが少女に抱いた、溢れんばかりの蔑み。 あるいは、哀れな程の妬み。 彼女にそれが何なのかは、理解できない。 ヒトとしての知性を持つタキザワと、『彼女』は違う。 彼女には、何かを想えるだけの心は存在しない。 複雑な思考など到底出来ない、犬畜生に等しい魔獣だ。 それでも。 奇妙な疼きが、少しだけ脳を刺激した。 理由は解らない。 そう思ったのも、所詮は令呪による暗示に過ぎないのかもしれない。 だが、彼女は確かに『彼の望み通りに殺さねばならない』と思った。 本能と狂気で駆け回る獣は、無意識で主の意志を汲んだ。 令呪を介して、彼の絶望に従った。 彼の怒りが、憎悪が、悲しみが、その肉体に染み渡った。 同胞である彼の想いを、彼女は背負っていた。 彼女の脳は、己の荒々しい肉体に命令を下す。 奔れ。 思うがままに殺せ。 そして喰らえ。 餓えを満たせ。 同胞の望みを果たせ、と。 向かうは――――――もう一つ、『あの少女に近い臭いがする方向』。 タキザワと相対した、あの少女。 彼女に似た臭いを辿っていた。 令呪による能力の増強によってより感覚が鋭く、強く研澄まされる。 故に彼女は感じ取れる。 より『神谷奈緒』に近い気配を、探ることが出来る。 獣は知る由も無い。だが、構いはしない。 その臭いは、神谷奈緒の親友『北条加蓮』のものだということを。 獣が向かう先は、彼女が搬送された病院だということを―――――! 【新都 442プロダクション/1日目 午前】 【南城優子@陰を往く人】 [状態]精神的疲労(小) [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]携帯電話、財布など [所持金]月末の学生程度(つまりあまり持っていない) [思考・状況] 基本行動方針:キャスターを制御し、なんとしても勝ち残る。 [備考] 1.キャスターの暴走を抑える。最悪令呪の使用も辞さないが…… 2.ひとまず市原仁奈、オシーンと共に442プロの事務所へと向かおう。 3.できるだけ討伐令にも手を出していきたい。 ※新都の住宅街にアパートを借りています。 ※市原仁奈・オシーンとなし崩し的に同盟を組みました。 ひとまずライブ終了までは行動を共にするつもりです。 【キャスター(ヘリオガバルス)@史実(3世紀ローマ)】 [状態]魔力消費(小)、疲労(小) [装備]短剣、レッスン用のジャージ、金髪のカツラ [道具]女子高生服 [思考・状況] 基本行動方針:楽しいことをする。 [備考] 1.ライブは派手に面白く! 方法は考え中。 2.後でライブ会場に赴き、陣地化する。 ※市原仁奈・オシーンとの同盟についてまだ知りませんが、優子が何らかの形で協力を仰いでいることは推測しています。 ※バーサーカー(ジェヴォーダンの獣)、セイバー(スキールニール)の気配を察知しました。 【市原仁奈@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康(魅了) [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]財布など [所持金]小学生並(つまりあまり持っていない) [思考・状況] 基本行動方針:ライブに出て、みんなに笑顔を届ける。 [備考] 1.聖杯戦争については、よくわかっていない。 ※キャスター(ヘリオガバルス)のスキル『紅顔の美少年』による魅了を受けています。 恋心には至っていませんが、美人であるヘリオガバルスに対し憧れを抱き、懐いています。 ※南城優子・ヘリオガバルスとの同盟についてまだ知りません。 【ライダー(オシーン)@ケルト神話】 [状態]健康 [装備]白馬、金の剣 [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターを守る。肉体的にも、精神的にも。 [備考] 1.英雄らしく在ろう。 2.討伐令には参加したいが、マスターを守るためにはあまり離れられない。 3.キャスター(ヘリオガバルス)をあまりマスターと関わらせたくない。教育に悪い。 ※南城優子・ヘリオガバルスとなし崩し的に同盟を組みました。 ひとまずライブ終了までは行動を共にするつもりです。 ※セイバー(スキールニール)、バーサーカー(ジェヴォーダンの獣)の魔力を感知しました。 【新田美波@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態] 健康 [装備] 無し [道具] 無し [所持金] アイドルとしての平均的 [思考・状況] 基本行動方針:ライブを成功させる [備考] 1.討伐令については保留し、対象の情報をアイドル達に周知、警告しました。 2.アーチャー(ヴェルマ・ヘンリエッタ・アントリム)を「ベル・スタア」と誤認しています。 3.アーチャー(ヴェルマ・ヘンリエッタ・アントリウム)にライブ出演の件(実現の可能性は低いと考えている)とキャスター(ヘリオガバルス)の情報について伝えました。 4.キャスター(ヘリオガバルス)の名前とパラメーターを把握しました。スキルについてはまだ上手く把握出来ていません。 5.『他者を魅了する魂』と『他人への強い恋慕』によって魅了に耐性を持っています。ただし無効化は出来ず、多少効きづらい程度です。 6.バーサーカー(ジェヴォーダンの獣)を警戒しました。 7.少なくとも『思いを寄せていたプロデューサー』は442プロダクションに存在しないようです。 【スルト(スキールニル)@セイバー】 [状態] 健康 [装備] 万象焼却せし栄光の灰燼 焔の鎧 [道具] 無し [所持金] マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:ミナミを守る [備考] 1.ロキとの経験から、ジョーカーがライブ会場を襲撃するだろうと判断しました。 2.アーチャー(ヴェルマ・ヘンリエッタ・アントリム)、バーサーカー(モードレッド)を認識しました。 3.アーチャー(ヴェルマ・ヘンリエッタ・アントリム)を「ベル・スタア」と誤認しています。 4.キャスター(ヘリオガバルス)の名前を知りました。 5.バーサーカー(ジェヴォーダンの獣)を警戒しています。アーチャーと連携を取る必要性を感じています。 【新都/1日目 午前】 【神谷奈緒@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]焦燥、タクシーに乗車中 [装備] 無し [道具] 無し [令呪] 残り三画 [所持金] 学生並み [思考・状況] 基本行動方針:セイバーを勝たせてあげたい。 0.間に合え。 1.加蓮がいる新都の病院へ向かう。 2.滝澤を止める。 3.討伐令はなんとかしなければと思う(殺しはしない) 4.ライブを成功させたかったけど、今はそれどころじゃない。 [備考] ※衛宮邸周辺に自宅があるようです。 ※気絶中に何かの夢を見ました。 【源頼政(猪隼太)@セイバー】 [状態]健康 [装備] 骨喰 [道具] 特に無し [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:とりあえずは、奈緒の意思に従う。 1.胸騒ぎがする。 2.滝澤、ジョーカーのサーヴァントを消し、二人の足を斬ってでも止める。マスターの意向により殺しはしない。 [備考] ※人食い主従(滝澤&ジェヴォーダンの獣)はプロダクションを積極的に狙っておらず、また彼らを止めようとする主従が他にもいると考えています。 【バーサーカー@ジェヴォーダンの獣】 [状態] 健康 [装備] 特になし [道具] 特に無し [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:■■■ 1.(狂化により現時点では判別不可) [備考] ※『アイドルを殺せ』との令呪を受けました。 ※冬木市の中で、血の臭いの強い方に牽かれます。 ※北条加蓮の『臭い』を察知し、彼女が搬送された病院へと向かっています。 時系列順 Back Wake Up People Next 立禁止 投下順 Back Wake Up People Next What two and two always makes up? ←Back Character name Next→ お気の召すまま 南城優子 [[]] キャスター(ヘリオガバルス) ←Back Character name Next→ お気の召すまま 市原仁奈 [[]] ライダー(オシーン) ←Back Character name Next→ Belley Star 新田美波 [[]] セイバー(スルト(スキールニル)) ←Back Character name Next→ 喰い足らずの心 神谷奈緒 脳漿炸裂ガール セイバー(源頼政(猪隼太)) ←Back Character name Next→ 喰い足らずの心 バーサーカー(ジェヴォーダンの獣) 脳漿炸裂ガール
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955: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 46 38 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp フランス分割世界 概要 文字通りフランスが分割された世界である。 切っ掛けはフランス革命。何かの掛け違いか史実では曲がりなりにも活躍していた偉人たちが死んでしまったことから始まる。 暴動に巻き込まれ、鎮圧に巻き込まれ、チンピラに殺され、義憤に駆られたものに暗殺され、特に意味もなくギロチンに掛けられ… 史実では活躍していたフランスの偉人たちはその殆どが死んだ。 結果混乱を収める者のいなくなったフランスは更なる混沌に陥ることとなる。 それを危惧した周辺諸国が結託。同時多方向から侵攻を開始し、フランスを分割してしまったのがこの世界となる。 このためイギリスは数世紀ぶりにノルマンディー公領が復活したり、スペインが復活に成功したり、プロイセンとオーストリアがフランス領を領土に加えたりなど様々な変化が起こっている。 更に言えばこの世界ではイタリア統一がなされておらず、スペイン勢力やオーストリア帝国の手により分割されている。 ナポレオン戦争がなかったため、デンマーク=ノルウェー二重王国は健在。 また同戦争にことを発するロシアとスウェーデンの戦争もないため、スウェーデンがフィンランド領を有したバルト帝国のままである。 ポーランドは残念ながら史実通りプロイセン、オーストリア、ロシアにより三分割されたので存在していない。 神聖ローマはナポレオン戦争が存在しないため健在であったが、元々形骸化していたこととオーストリアとプロイセンの躍進により自然消滅した。 そして無軌道な革命によってフランスという大国が崩壊する様を見た欧州諸国は革命を恐れた。 このためこの世界では中南米などで起きた独立戦争の多くが苛烈な鎮圧により失敗している。 なおフランス革命期にフランスが死んだため、この世界ではメートル法は存在していない。 ヤード・ポンド法大勝利な世界である。 イギリスが調子乗りまくった結果敵ばっかりなったり、スペインが復活成功したはいいが中南米領の安定化に数十年単位で忙殺されたり、なんとポルトガルが英葡永久同盟を破棄してオーストリアと手を組んだり、日蘭西が手を組んで太平洋経済圏を設立するなどびっくり歴史の連続。 その後色々あってイギリス、ロシア、デンマークの陣営とオーストリア、ドイツ、ポルトガルの陣営に別れWW1発生。 史実WW1張りの泥沼の消耗戦を繰り広げていたが、誤って日西の船を沈めた結果日蘭西が独墺葡側で参戦。 更に様子見していたアメリカ合衆国も参戦した結果イギリス側のボロ負けに終わる。 戦後はフランスを崩壊せしめた共和主義と共産主義の悪魔合体である革命主義が戦争の被害と賠償金支払いに苦しむ敗戦国や旧植民地を中心蔓延。 更に戦勝国になったはずのアメリカが実質ナチ化したりなど、戦後に余力を残していた日蘭西を悩ましている。 そんな史実とは大分違った世界のお話。 956: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 47 24 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇スペイン まず最も史実から変化したのがスペイン。 実はスペイン継承戦争後の国なので王室はスペイン・ブルボン朝だったりする。 本家フランス・ブルボン朝は滅びたが、その血筋はスペインにしっかり息づいているのだ。 フランスの瓦解によるフランス南部の幾つか(史実におけるオクシタニー地域圏とヌーヴェル=アキテーヌ地域圏の大多数)を入れた以外にも、史実では四苦八苦していた北米南米のスペイン植民地の維持に成功した。 これはフランス崩壊のどさくさ紛れに旧フランス領などから接収した資産を用いてカルロス三世時代からの改革を推し進めた結果と言われている。 無論この旧フランス資産の接収はスペインのみならず、分割に参加した国々が多かれ少なかれやっていることであった。 史実ではカルロス四世が父であるカルロス三世の行った改革を台無しにしたが、ここでは不幸にもカルロス三世が病気で死亡。 代わりに史実では両シチリア王であったフェルディナンド一世が継ぐこととなる。 彼自身は左程優秀な人間ではなかったが、善良(尚且つ身体も頑丈)な人物であり、その妻も史実と同じマリア・カロリーナである。 彼女は史実ではその辣腕を持って両シチリア王国の軍事改革を進めた才女であり(最も両シチリアの兵士が弱かったため失敗に終わる)、その辣腕はこの世界ではスペイン帝国の再建に向けられることとなった。 更には史実では早世してしまったカルロス三世の四男ガブリエルがこの世界では早世してしまった兄カルロス四世とは真逆にすこぶる健康であったため、史実では思慮深く、働き者で優秀と言われた彼は父の後を継いだフェルディナンド一世を良く支え、改革を手助けしていくこととなる。 なおフェルディナンドの代わりにイタリアに存在する両シチリア王国はカルロス三世の五男であるアントニオが継ぐこととなる。 スペイン帝国はその後安定。アフリカにも領土を広げていき、1800年代後半にはスペイン帝国は再び太陽の沈まぬ帝国として復活した。 欧州では本土以外ではスペイン帝国領フランスとイタリア南部を支配する両シチリア王国を勢力圏として組み込んでおり、アフリカではモロッコを中心に西サハラやモーリタニア、セネガルなど西部地域を植民地として組み込んでいった。 アルジェリアなどの地中海に面するアフリカ諸国よりも西アフリカを優先したのは中南米領との連結を強めるために大西洋における港を求めたためである。 そんなスペインの心臓とも言われているのがスペイン帝国領アメリカである。 これ史実におけるメキシコや中米領域を中心にフランス崩壊のどさくさに利権を確保したハイチ含むカリブ海の島々の過半とテキサスを含む史実の米南西部(テキサス、オクラホマ、ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニア、ネバダ、ユタ)のほぼ全てとフランスが潰れたことによりなし崩し的に保有し続けることとなったルイジアナとイギリスから返還された西フロリダとなる。 中南米やカリブの島々から取られる砂糖を始め、後に起こる北米南西部でのゴールドラッシュはスペインの懐を大いに潤した。 これは未来の話になるがテキサスなどでも大規模な油田が発見され、中米ではパナマ運河が開口するなど時代が進んでからもスペイン帝国の心臓であり続けた。 また南米の独立戦争の殆ども失敗に終わったため、南米の副王量の殆どもスペイン領土のままで続いており、南米で採られる作物や獣皮、商業的の中心となった各都市は中米領に負けず劣らずスペイン帝国を潤したことを記す。 957: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 48 15 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp アジアではフィリピンを始めとした元々有していた領土のみであり、積極的には入植は行わなかった。 これは史実と違い、独立を阻止した中米や南米領土の開発や入植を優先していたためである。 またイギリスとの間で中南米はスペインのもの、インド洋はイギリスのものと暗黙の了解が存在していたのが大きい。 何よりスペインは新たに得たフランス領や西アフリカ領。そしてアメリカ領の統治と国の立て直しに注力していたというのが最も大きな理由である。 このように大復活したスペイン。一応は史実よりずっとまとまっているが、完全に安定化させるには時間がかかっており、数十年単位のスパンで徐々にスペイン国民としての同胞意識や政治改革を進めている。 将来は史実のイギリスのように植民地は独立させ、連邦化していくことになると思われる。 日本との関係はスペインがアジア進出に積極的ではないことから悪くはない。 また北米における米西海岸の南北分割も平和な形で決着がついたため話の通じる相手との認識を持っている。 特に太平洋を実質支配する日本は中南米の太平洋側を網羅するスペインにとっては遥々大洋を乗り越えてまで商品を買いに来てくれるお得意様のため、スペイン帝国の経済を回す上では手放せない顧客の一人となった。 欧州がイギリス陣営とオーストリア陣営に別れた後はオランダと共に中立を宣言。 欧州で火花が散っている時期には日本、オランダと共に太平洋経済圏の構築やパナマ運河開発に尽力した。 WW1では自国の船がイギリスによって沈められたことから日本やオランダと共に参戦。 敵対国となったイギリスやロシアを百数十年かけて開発しまくった国力でぶん殴り粉砕した。 戦後は嫌々ながらも日蘭と共に国際秩序を保つ大国として活動している。 最近復活してきた革命主義者たちと勝ったはずなのに疲弊しすぎた独墺葡と暴走しだしているアメリカグループたち。 これらについて日夜日蘭と共に頭を悩ましている。 958: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 48 46 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇イギリス 我らがブリカス。スペインやオーストリアほどではないが、フランス分割によって史実と変った歴史を歩んでいるのは変わらない。 まずフランス分割によってイギリスが得たのは主にイギリス海峡に面する地域。 史実で言うところのブルターニュ地域圏、ノルマンディー地域圏、オー=ド=フランス地域圏とビスケー湾に面するペオ・ド・ラ・ロワール地域圏となる。 イギリスはフランス分割による欧州諸国のイギリス海峡への到達を恐れたと言っていい。 その後のイギリスの動きだが、この時点で既にインド洋やアラビア湾地域においてはイギリスの独壇場であった。 元々七年戦争の結果フランスを北米やインドから追い出すことに成功していたイギリスは、革命によりフランスが崩れ去る以前から他国より一歩先んじていた状況であった。 フランス崩壊によりカナダのサンピエール島・ミクロン島などの旧フランス領も取り込んでおり、仏革命以前にアメリカが独立したことを除けば北米(この世界ではカナダとアメリカ合衆国、日本領アメリカを示す)情勢に関しては独り勝ち状態と言える。 イギリスは他国が自国の再興や取り込んだフランス領の安定化に勤しんでいる隙にカナダの安定化とインドの取り込みに万進していた。 更に史実同様発生した産業革命により工業力も他国をリードすることとなる。 最も史実と異なる部分も出てきた。 フランスが崩壊したことにより仏東部(及びその間にあったイタリア諸国領)を領有したプロイセンとオーストリアがアフリカ進出を進めてきたのである。 フランス分割のどさくさに北部イタリアを中心にスペイン勢力圏である両シチリア王国以外のイタリア圏を併合。 更にフランスから分捕ったコルシカ島を足場にサルデーニャ王国も傘下に加えたオーストリアはアフリカのチュニジアとアルジェリアに進出。 チュニジアやフサイン朝やアルジェリアのオスマン軍人府などは宗主国であるオスマン帝国に救援を求めたが近年ロシアに打ち負かされたばかりのオスマン帝国にはこれに応えるだけの余力はなかった。 このためあっさり両地域確保したオーストリアは同時にバルカン半島諸国にも勢力を伸ばしていき、アフリカと欧州からオスマンを挟撃するつもりであった。 このことに焦ったのはイギリスである。 イギリスはインドやカナダで儲けを出しているが、だからと言ってアフリカが完全に他国に渡ることを到底許すことはできなかったのである。 急遽ジブラルタルに艦隊を送ったイギリスはそのまま前時代の遺物であったマルタ島の聖ヨハネ騎士団を粉砕。そのままマルタ島を占領。 このマルタ島を拠点としてリビアに侵攻。この沿岸部を制圧することに成功した。 インド洋を自らの海としているイギリスとしてはこのままオーストリアが紅海沿岸まで到達することを防ぎたかったのである。 無論オーストリアもただでは転ばず、先に占領したチュニジアやアルジェリアでの実効支配を進ませて、イギリスとの対決姿勢を露わにしていく。 こうして北アフリカの地で起こった国境紛争が英墺戦争である。チュニジアとリビアの国境での衝突と地中海における両国の艦隊の衝突は両者の痛み分けに終わる。 海軍力ではイギリスが勝っていたが、コルシカ、サルデーニャを拠点として旧北部イタリア諸国とフランスの地中海艦隊を吸収した新生オーストリア艦隊は中々の強敵であった。 またスペイン王国の度重なる嫌がらせも重なり艦隊の補給が滞りがちであったため、イギリス艦隊は全力を出せない状態でオーストリア海軍と戦うはめになったのが大きい。 こうして膠着状態となった英墺であるが、そこに横やりが入った。オスマン帝国からの攻撃である。 思い出してほしい。アルジェリアもチュニジアもリビアもこの時代ではまだオスマン帝国の領土なのだ。 というわけで流石にオスマンがキレた。そしてイギリス、オーストリアの占領地域へと軍隊を差し向ける。 これと先んじて衝突したのがマルタ島とリビアを拠点とするイギリスであった。 英土戦争の開幕である。 959: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 49 19 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp イギリスはすぐさまオーストリアと和睦し、戦力をオスマン側へと振り分けることに成功。 オスマンを撃退し、更に元々対オーストリア向けに送っていた援軍が現地に到着したため、イギリスは逆侵攻を開始。 エジプトのオスマン軍を打ち破り、現地を占領することに成功する。 オスマン側もロシア軍との戦いの傷が癒えていなかったのも大きな要因であろう。 しかし流石のイギリス軍もここで進撃は停止。オーストリア軍からの連戦のため被害と消耗が蓄積していたためであった。 この後オスマンは正式にイギリスとの間にリビア、エジプトを譲り渡す講和条約を締結し、史実よりも速くアフリカ領土を喪失することになる。 なおオーストリアがイギリスとの和睦に賛成したのは、痛み分けだったとはいえ増強していたはずの艦隊が大きな打撃を受けており、制海権を維持できるか怪しかった点が大きい。 またイギリスへ正式にアルジェリアとチュニジアの支配を確約させることに成功している。 また欧州大陸の方で英墺の軍隊がぶつからなかった理由は簡単で未だ革命の傷から不安定な情勢の続く旧フランス領土内での戦いを両国とも嫌がったためである。 こうしてオスマンがイギリスに敗北することにより史実よりも速くバルカン半島の国々のナショナリズムが点火。 更に英墺以外の国々のアフリカ進出も早まることになる。 史実より早めのアフリカ分割開始である。 さて。イギリスの動きであるがリビアとエジプトをオスマンより奪った後は軍の回復もまだながらすぐさま動き出した。 紅海に沿うように南下を開始。 史実で言うところスーダン、エルトリア、エチオピア、ソマリア、ケニア、タンザニアなどを数十年のうちに次々と併合。 紅海及びインド洋に面する広大なアフリカ植民地を築き上げることに成功する。 これはイギリスがインド洋利権を完全に独占するため他国の進出拠点となりえる土地を抑える目的であった。 タンザニアを併合し、遂にポルトガルのモザンビーク領付近まで到達。 しかしここで問題が発生する。 ポルトガルは英葡永久同盟における友好国なのである。 だがこの頃になるとイギリス資本を中心としたスエズ運河開発が始まり、イギリスは益々持って紅海及びインド洋の利権を独占したい欲望に駆られていた。 またポルトガルはこの頃史実で言うジンバブエとザンビアを占有することによって東部のモザンビークと西部のアンゴラを連結させる計画を立てていたのである。 イギリスも議会でどう対応を取るか紛糾したが、結局インド洋利権独占の誘惑には勝てず、ポルトガルへ政治的な圧力を開始。 ポルトガルも当初はこの圧力に抵抗していたがマダガスカルのメリナ王国がイギリスによって電撃的に落とされると、強まった軍事圧力により泣く泣くモザンビークを明け渡すこととなる。 こうしてイギリスは更なる東アフリカ領を獲得。マダガスカルと合わせて益々インド洋利権を盤石のものとしていた。 次は南アフリカのオランダ勢力圏だと考えていたが、ここで衝撃が走る。 ポルトガルの英葡永久同盟の破棄と、新たにオーストリアとの同盟である。 話をまとめよう。 ここのイギリスはフランスというライバルを失ったことで海軍力では随一の存在となった。 対抗馬であるスペインも中南米植民地の安定化と本国の再建で忙しく、更に暗黙の了解で住み分けも完了していた。 このため東アフリカ・インド洋方面ではクッソ調子乗っていたのだが、考えてみてほしい。 ここのイギリス元々敵が多いのだ。 元々スペインとはフランスと同じくらい不倶戴天の敵であるし、ついこの間はオーストリアと北アフリカを巡って衝突したばかり。 オスマンがキレて殴ってきたので殴り返して静かにさせ、更には元々友好国であったポルトガルにすら土を付ける始末。 オランダとも歴史的な経緯から特別仲がいいわけではなく、アメリカとは独立戦争の件から感情は最悪。 良くも悪くもないのは精々ロシアとプロイセンくらいである。 960: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 50 03 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp つまりこいつほぼ全方位に喧嘩売っているのだ。 そりゃこうもなる。 ポルトガルはジンバブエ、ザンビアの占有をオーストリアを確約し、代わりに宙に浮かんでいたコンゴの利権をそっくりそのままオーストリアに渡した。 オーストリアもイギリスの横やりで北アフリカでの拡張を邪魔され、伸び悩んでいたため渡りに船であった。 オーストリアはポルトガルから譲り受けた(なお現地人の意見は欠片も効いていない)コンゴを中心に史実で言うところのガボンや赤道ギニア、カメルーンや中央アフリカなどのギニア湾沿いと中央アフリカの地域を併合。 ここに巨大なオーストリア帝国中央アフリカ領が誕生することになる。 更にポルトガルとオーストリアは他の欧州諸国にも手を貸し始める。 フランス領土を得たはいいが植民地獲得競争に出遅れがちなプロイセンに接近。 ギニア湾沿いの地域…史実で言うところのナイジェリアやベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワールなどの諸地域にプロイセン植民地を設立。 更に更にポルトガルが間にたち、オーストリアとプロイセンの間で問題となっていたドイツ諸邦の問題に関する和解がなされた。 プロイセンは改めて残りのドイツ地域と北欧、ポーランド方面に。代わりにオーストリアのバルカン半島と同半島寄りの東欧(ルーマニアなど)への進出を邪魔しないこと。 そして同国のアフリカ領を承認すること。不可侵条約を互いに結ぶことなどを承諾させた。 こうして歴史的な和解と譲歩を条件にプロイセンを半ば無理矢理イギリスとのアフリカ争奪戦に参加させることに成功した。 つまりオーストリアはイギリスに対抗するために中欧帝国の野望を捨てたのだ。 もっともこの時のオーストリアはポルトガルとの取り組みで得られたアフリカのコンゴ領やギニア湾沿いの植民地からの上りで十分黒字を得ており、更にイギリスがオスマンを弱らせてくれたおかげでバルカン半島への進出も進んでいるなど、新たにドナウ帝国の野望を秘め始めていたのだが。 現状のオーストリアからすれば抵抗の激しく、軍備も整っているプロイセンを無理に押さえつけて消耗するくらいなら、アフリカで植民地を獲得し、気に食わないイギリスの邪魔をしてやろうという魂胆だった。 更にポルトガルとオーストリアはポルトガルが確保したナミビアの土地とオーストリア領ネーデルラントをオランダへ売却。 アフリカ南部兼ベネルクス地域というイギリスとの戦いに大きく影響しそうな地域を墺葡側に引き込もうと画策した。 最もオランダはこれらの領土に両国が示した値段以上の価値を叩きつけて買い取ったが、代わりに両国やプロイセンに過度に肩入れすることもなかった。 無論気に食わないイギリスに肩入れすることもない中立を表明した。最もこのオランダの中立宣言も“イギリス以外”寄りの中立であるが。 (つまりイギリスが嫌がることなら値段次第で手を貸すこともやぶさかではない) こうしてイギリスはポルトガル、オーストリア、プロイセンの同盟と半ば敵対することなり、アフリカでの小競り合いが続くこととなる。 961: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 51 33 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp しかし腐っても世界帝国。中々根を上げない。 インド植民地とスエズ運河の利益を最大限に活かしながら、ロシアと組んでオスマンを更に虐め、実質英露の傘下にして黒海やエーゲ海の利権と安全な交易路を確保。 更におまけでペルシャを叩き潰しペルシャ湾も完全制圧。 その後は北アメリカに勃発した南北戦争でアメリカ連合国に大きくテコ入れし独立を維持させ、親イギリス国家を北米に作り上げることに成功させるなどなどブリカスここまでやるぅ?といった状況を作りまくっていった。 その中で最大の成果と言えば東欧やバルカンに勢力を伸ばし、度々オーストリアと衝突していたロシアとデンマーク地域でのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争を切っ掛けとするデンマークとプロイセンの衝突を利用して、デンマーク=ノルウェー二重王国をイギリス側の味方に付けたことである。 これにより欧州はイギリス・ロシア・デンマーク陣営とオーストリア・プロイセン・ポルトガル陣営の対立構造が構築されることとなる。 なお他の勢力であるスペインとオランダは中立を表明しながらも墺葡普側寄りである。 イギリスが嫌いだからだ。 北米ではアメリカ合衆国が墺葡普寄り。アメリカ連合国が英露丁寄り。 アジアにおいても日本がロシアとの国境紛争やオーストラリア植民を巡るイギリスとの関係悪化により中立でありながらも墺葡普寄りの態度となっている。 WW1時には遂にプロイセン改めドイツやオーストリア、ポルトガルの陣営と衝突。 泥沼の戦いを繰り広げたが、途中誤ってスペインの船を沈めてしまいスペインとまた日蘭も参戦。 更にチャンスだと思ったアメリカ合衆国まで参戦するなどでボコボコにされ敗戦。 因果応報ここに極まる。 イギリスの植民地は全て解体。戦勝国に改めて譲られるか、独立国として再出発することとなった。 戦後はボロボロの国土を引きずりながらも多額の賠償金で苦しんでおり、国内では再び息を吹き返してきた革命主義者達が勢力を増してきている。 962: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 52 15 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇オーストリア オーストリアはフランス分割によって得られた地域は史実で言うところのプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏とオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏のみである。 しかしその過程で北イタリアの諸勢力の多くを勢力化にすることに成功。 このためフランス分割で得られた利益以上のものを手に入れている。 特に北イタリア諸国とフランスの地中海における海軍戦力を新たに手に入れており、またフランス分割の際にもらったコルシカ島と新艦隊をちらつかせ、サルデーニャ王国を傘下に。 こうして北アフリカまでの道を作ったオーストリアはアルジェリアとチュニジアに上陸。 現地の勢力を蹴散らし、アフリカ植民地を手に入れることに成功する。 アフリカに向かった理由は単純明快。バルカン半島側の攻略が詰まったのだ。 オスマンはロシアに叩かれた結果かつての強さを失っているが、だからと言ってまだまだ強い影響力をバルカン諸国に有していた。 ということでバルカン半島攻略を兼ねてオスマンのアフリカ領土を奪って動揺させるのが目的であった。 実際のところはどうなのか。 簡単に言うと近年下がり気味のオーストリアの威信をオスマンに勝って取り戻したいという思惑が強かった。 しかしバルカン半島で戦うと被害が大きくなりそうだし、ロシアの介入も怖い。 なのであっさり勝てそうな北アフリカを選んだというのが真相である。 ということで攻略したアルジェリアとチュニジア。 あとはリビアとエジプトのオスマン軍が来るところを新生艦隊と現地部隊で叩けばいいと待ち受けようとしたときにそれは起った。 イギリスのリビア襲撃である。 え、なんでとなったオーストリアであったが、すぐさまリビアとチュニジアの境界線付近で小規模な衝突が起こり始め、アフリカと地中海を舞台にした英墺戦争が始まってしまった。 イギリスが突然リビアに来た理由はイギリスの説明で話したが、オーストリア側からすると突然やってきて自分達の計画を邪魔して殴ってきたのがイギリスなのである。 そりゃ怒るし嫌う。 結果は痛み分け。理由はイギリスの欄でも説明した通り、スペインによる陰ながらの嫌がらせとイギリスの突貫動員が原因であった。 そしてキレたオスマンの参戦と返す刃でオスマンをボコるイギリスという図の英土戦争が発生し、なし崩し的に英墺は停戦、講和した。 オーストリアからしてもイギリス艦隊相手に引き分けたとは言え、せっかく増強した新艦隊がボロボロである。 まあ元々大したものが配備されていなかった旧フランス地中海部隊と中小国の集まりであった北イタリア諸国の船舶と元々海は左程ではないオーストリアの艦隊を合わせた急造艦隊で、イギリス艦隊相手に引き分けただけでも奇跡なのだが。 とは言えオーストリアの威信は上がった。何故かと言えば一応オスマンに一撃食らわせたし、あのイギリス艦隊相手に最近良い活躍のなかったオーストリアが引き分けに持っていけたという事実は良い国威発揚となった。 またイギリスがオスマンボコったことによりバルカン半島へのオスマンの影響力が低下。 悩んでいたバルカン方面への進出にも目途がつくなど海軍の被害以外は良いこと尽くめであった。 それはそれとしていきなり殴ってきたイギリスは許さんが。 こうして地味に威信が少し回復したり、北アフリカに植民地を持つようになったオーストリア。 その後はプロイセンと仲がギスギスしながらもバルカン方面に食い込めたりで、そこそこ順風満帆であるところにポルトガルが声をかけてきた。 イギリスに一泡吹かせないかと。 バルカン方面に食い込め始めたとは言え、それ以外では大概拡張に手詰まりが見えてきていたオーストリアはこれに乗った。 更に言えばインド洋を実質自分の海にし、更に紅海沿いの東アフリカ地域を速攻で手にしたイギリスの拡張速度に危機感を持っていたというのも大きい。 あとイギリスの嫌いだし。 963: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 53 54 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp というわけでイギリスの欄でも説明した通りポルトガルと手を組みアフリカのコンゴとギニア湾沿いに巨大な植民地を形成。 それから後もポルトガルの仲介でプロイセンと和解。 ドイツ諸邦、北欧方面、ポーランドやバルト三国はプロイセンに一任し、オーストリアは東欧とバルカン方面に注力するなどの取り決めを決定。 あとお互いのアフリカ植民地領有の承認や両国不可侵条約の締結なども。 バルカン及びアフリカに集中させることに成功し、更にプロイセンをアフリカ争奪戦に巻き込み、更に更にオランダに中立を約束させることに成功するなど一躍国威が回復しまくった。 その後はアフリカでポルトガルやプロイセンと組みながらイギリスの躍進を邪魔したり、欧州本土でイギリスの邪魔したり、アフリカ植民地を経営したり、途中イギリスがロシアと組んでオスマンをボコったので更にバルカン半島に進出したりなど忙しい毎日を送っている。 なお一応はこんなんでも墺葡普陣営の盟主である。 (後にプロイセンはオーストリアのお墨付きの下でドイツ諸邦を統一したためドイツ帝国に国名を変更している。このため独墺葡同盟となっている) 因みにオーストリアのアフリカ領コンゴであるが、現地人は時代相応の扱いだが、史実でのベルギー領コンゴよりは大分マシな扱いである。 最もそれを虐げられている現地人たちは知る由もないが… (まあこの時代の植民地人なんてどこの国も似たり寄ったりな扱いである) 実は筆者もなんでオーストリアがこんなに躍進したのかわかっていないところがある。 オーストリアはドナウ帝国の夢を見るか… WWは勝ったはいいが手酷い被害が残っており、史実の戦後英仏のようになっている。 日蘭西からの復興支援もあるが、戦争での被害もあり国民は意気消沈ムード。 結果勝ったのに生活が苦しいのは敗戦国の奴らが悪いんだとか、既得権益層が不当に財を貪っているんだとかの変な思想が増え始めている。 964: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 54 35 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇ポルトガル ここのポルトガルも史実とは大分違った動きをしている。 フランス分割と他様々な要因があってスペイン帝国が復活したことが分岐点となる。 当初ポルトガルは英葡永久同盟により基本はイギリス寄りの国家であった。 そのためイギリスと色々因縁を持つ復活スペインに強い恐怖感を持った。 イギリスとの一件があるとは言え、スペインとは同君連合を組んでいた時期もあれば、スペイン帝国を支える宰相ガブリエルの元へ王女を嫁がせているなど関係性は悪くなかった。 それはそれとしてもイギリスとの同盟関係を考えれば中南米の覇者となったスペインに恐怖を抱かずにはいられなかった。 そしてイギリスがリビアに進出した際に、スペインがあの手この手で艦隊の補給を邪魔していた光景を見て真実味を増してしまう。 結果何が起こったかと言えばポルトガルは当時領有していたブラジルに首都を遷都したのである。 詳しく言えば本国機能は相変わらずポルトガル本国に残り、王も本国で政務を行うが、もしもの場合を考えブラジルにも本国に劣らない整備を行い、常に王族の幾人かを常駐させることにしたのである。 史実でも似たようなことをしたが、情勢が落ち着いたため本国に戻ったら、ブラジルに残していた王族が現地人に唆されて独立してブラジルを失うのだが、こっちでは割とがっつり逃げる計画を築いてきた。 最もブラジルに逃げても結局スペイン帝国からは逃れられないということを知るのは、南米にあるスペインの副王領のほぼ全てをスペイン本国が完全に取り込むことに成功した際の話である。 話を戻してその後のポルトガルはブラジルと本国の連結を強化するためにギニア、リベリア、シエラレオネなどを占領するなど西アフリカに幾つか新たな植民地を築くなどして内政に打ち込んでいった とは言え王族がいざという時に本国を捨てて逃げるための政策というのが流石に批判も多く、国威が下がりっぱなしであった。 そこで下がった国威を回復させるために打ち出したのがポルトガルのアフリカ植民地であるモザンビークとアンゴラの連結である。 これは内陸部にあるザンビアやジンバブエを領有し、東西のアフリカ植民地を連結させるという計画でバラ色計画と名付けられた(史実でも大体似たようなことしている) これを持って下がったポルトガル王家への威信を取り戻そうとしたのであった。 しかしこの計画は失敗に終わる。イギリスによる横やりである。 インド洋を独占したいからお前らの植民地であるモザンビークを寄越せと一方的に圧力をかけてきたのだ。 同盟国であるはずなのにこれはないだろうとイギリスへ抗議したのだが、スエズ運河の開発とインド洋利権の独占に目が眩んだイギリスに話は通じず、近場のマダガスカルもイギリスの手に落ちたことによる軍事的圧力も増加。 ポルトガルはなくなるモザンビークを手放すこととなる。 なお史実でもイギリスは似たようなことをしており、史実でもポルトガルが計画していた同じような連結計画をおじゃんにしている。 これが原因でポルトガル王家の評判下がり、後々の起こる共和革命の遠因になったと言われている。 この世界ではフランスがあんなことになったため、革命シンパはどこの国でも徹底的に弾圧されているため革命の原因にはならなかったが、代わりにイギリスの圧力に屈したということでポルトガル王家とポルトガルという国の威信が非常に低下した。 何より長年一緒にやってきた同盟国なのにあんまりだとポルトガル人自身のプライドが非常に傷ついた。 様々な感情が胸の中を支配したポルトガルは長年の同盟を捨ててでも報復することを選んだ。 965: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 55 12 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 英葡永久同盟の破棄。そしてオーストリアとの新同盟の締結。 プロイセンとオーストリアの和解。オランダやスペインの中立宣言の確定。 長年イギリスを見てきたポルトガルは彼らの外交手腕をこれでもかと学んでいた。その成果である。 これによりポルトガル王家とポルトガルという国家の傷つけられたプライドと威信は回復した。 ここのポルトガルは史実のような小国ではなく、南米やアフリカにも巨大な植民地を持ち(一応アジアにも少領であるが租借地や植民地がある)外交にも優れ、海路を繋げるためにしっかりとした海軍を持つ立派な大国の一つであった。 こうしたポルトガルの報復と躍進に慌てふためくイギリスを見てポルトガル人は思うのである。 俺達を散々利用した挙句に見捨てるからだと… 余談であるがこの世界ではアイルランドとポルトガルとアメリカ合衆国がイギリス嫌いのスリートップとして有名である。 また徹底的にイギリスを敵視するポルトガルの防諜により、史実とは違いイギリスはブラジルからゴムの苗を手に入れることに失敗し、後のゴム生産に苦しむことになる。 966: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 55 51 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇プロイセン オーストリアと共にフランス分割に参加し、史実で言うところのグラン・テスト地域圏、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏、イル=ド=フランス地域圏、サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏を獲得している。 フランス分割に参加した国の中では最も多くの土地を手に入れた国家であった。 これは分割事業の際に最も多くの兵力を出したのがプロイセンだからである。 もっと言うと各国が面倒だなぁっと思える地域を押し付けたに過ぎない。 特にパリが含まれているイル=ド=フランス地域圏は特に大きな混沌に見舞われている地域であり、誰もパリ周辺を取りたがらなかったというのが実情である。 パリを取ったという政治的パフォーマンスは特点が高いのだが、その実態は過去の面影など微塵もなくなり荒廃した花の都でしかなかった。 既にパリは燃えてしまっているのだ。 そんな中で貧乏くじを引かされたとも思わず、この時期のヴィルヘルム一世が倹約に倹約を重ね、更にヴォルヘルム二世が続けて立て直したプロイセン軍は精鋭の名にふさわしく、少なくない被害を出したながらも最も多くの地域の制圧に成功したのである。 軍事的に大きな成果を挙げたが、報酬の中身はマイナスもいいところというのはこの時期に王位を継いだばかりのヴィルヘルム三世に似合いの成果だったのかもしれない。 (史実のフリードリヒ・ヴィルヘルム三世は暗愚のへなちょことして有名) このへなちょこヴィルヘルム三世。史実通り優柔不断のポンコツなのだが、これまた史実通り奥方のルイーゼ王妃が出来た人でこんなポンコツを良く支えた。 またこれも史実通りシャルンホルスト、グナイゼナウ、クラウゼヴィッツなど超有能人材が集まっており、彼らの尽力により重荷を抱えたプロイセンはどうにかこうにか赤字であった旧フランス領を立て直し、黒字にすることに成功した。 彼らが負債であるフランス領を手放さなかったのは単純にこのフランス遠征がヴィルヘルム三世が王位を継いで初めて建てた成果であったからだ。 ここで旧フランス領を手放してはこの新米王の成果を否定することになり、プロイセン王の威信を傷つけ、国内に混乱を呼び込むことになるのが目に見えていた。 とは言え良くも悪くも史実ナポレオン戦争の被害がなかったため、旧フランス領を立て直す余力があったのも大きい。 また史実ではフランスに征服された経験がドイツ人に民族意識を持たせ、更にプロイセンにドイツ統一の旗頭となる動きを生み出したのだが、ここではナポレオン戦争もないためそんなこともなかった。 代わりに旧フランス領を取り込むにあたりルイーゼ妃や有能三人組は如何に占領下のフランス人たちに同胞意識を植え付けるかで苦労する羽目となる。 この時期のフランス人は地域によって言語も考えも別々であったため、これらを改めてプロイセンの施政下に入れるのに多大なる労力が必要であった。 幸いなのがこの時期のプロイセンには他国の亡命者や移民を受け入れる文化が存在してことだろう。 このため新たに同胞となった旧フランス人たちに隔意は余り存在していなかったそうな。 こうして使う言語も地域ごとでバラバラな旧フランス人を時間と根気を掛けて同朋意識を持たせプロイセンに取り込んでいったノウハウは後に国内を団結させ、ドイツ人としての自覚を生み出すことに利用されるようになる。 逆に言えば彼らの意識は史実と違い民族としてのドイツ人というよりも同じ国に住む同胞としてのドイツ人という意味の意識が強いと言えよう。 同じ国旗と王を仰げば誰も彼もドイツ人なのだ。 この自国の人間として取り込み、同朋意識を持たせるノウハウは後々のプロイセン拡大で大いに役立つこととなる。 ということで旧フランス領の人間を取り込む作業に忙殺されてプロイセンは他国よりも海外進出が遅れてしまった。 それに困っていた時期にポルトガルに誘われた。アフリカに植民地を持ってみないかと。 プロイセンは飛びついた。なんせまだ植民地なんてものは持っていなかったのだ。 欧州で大国と称するからは植民地を持っていないと笑われてしまうのである。 えー?マジー?大国自称しているのにろくな植民地も持ってないのー? イギリスかオランダあたりが言いそうな気がする。 967: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 56 38 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp ということでまたもや疑いもせずに目の前の餌に食いついたプロイセン。 二度目はどうよと思うが、ポルトガルの仲介で仲がギスギスしていたオーストリアとの和解とドイツ諸邦と北欧、ポーランド方面なら好きにしていいよ!という取り決めがなされたことにより当初持っていた疑いは吹き飛んでしまったのが実情であった。 こうしてオーストリアからのお墨付きを得たプロイセンは武力や外交を用いて周辺のドイツ諸邦を併合していき、大プロイセンとして中欧に名を轟かせることとなる。 だがこの取り決めの中に入っている北欧も好きにしていいという文面。 これが後にデンマーク=ノルウェー二重王国との間に史実とは違った形の戦争を起こすこととなる。 なおナポレオン戦争がないため神聖ローマ帝国は健在であった(過去形)が、オーストリアとプロイセンの躍進により自然消滅している。 こうしてドイツ諸邦を史実よりいち早く統一したプロイセンは名前をドイツ帝国と変えることとなる。 ポルトガルの協力もありアフリカのギニア湾沿いにもそこそこ広い植民地を得たプロイセンことドイツは改めて世界に名だたる大国と言えるようになったのだ。 そんな中で起きたのがデンマークとのシュレーヴィヒ及びホルシュタインの帰属問題である。 発端は新たにデンマーク王になったフレデリク七世が史実のようにシュレーヴィヒ=ホルシュタインはウチの領土!正式に併合する!と言い出したことだ。 それに対してプロイセンことドイツは、いやいやここドイツ系多いやん。それにうちオーストリアさんから北欧は好きにしていいってお墨付きもらってるし。 という主張を繰り出した。 ぶっちゃけドイツ諸邦を取り込み、アフリカにも植民地を持った元プロイセン、現ドイツ帝国は調子に乗っていた。 軍隊も伝統的に強いのでなんなら戦争でもする?といった具合に。 無論デンマーク側は、は?北欧好きにしていいとかなんでオーストリアやドイツが決めるねん。なんならやるか? と買い言葉に売り言葉の応酬となった。 そして史実とは多少違う形で起きたのがシュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争である。 ここでオーストリアは兼ねてからの約定通りにドイツの行動を支持。 対してオーストリアと敵対するイギリスはデンマークの言動を支持するなど、ドイツとデンマークは見事に英墺の対立構造に組み込まれることとなる。 これを見越して北欧も好きにしたらといったやつがイベリア半島にいるらしいんですよ… これに対してドイツを支持する墺葡陣営とデンマークを支持する英露陣営に別れて代理戦争開始。 ドイツと陸地で接しているデンマーク領内ではドイツ有利に動くか、制海権を取れないためノルウェー側に上陸できないという膠着状態となった。 デンマーク本土はプロイセンの手の中にあるが、英露に支援されたデンマークの海軍力を超えられない独墺と海軍力では優越しているが、陸軍力で劣るために決定打に欠けるデンマーク、海軍の支援はするが本格的な衝突はしたくない英露の思惑などが絡み、膠着は長く続くこととなる。 デンマーク側による三度目の上陸作戦が失敗に終わったところで両陣営は様子見をしていたスウェーデンに仲介を依頼。 スウェーデンの仲介の結果デンマーク本土を返還する代わりに、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン地域はドイツに渡すという実質ドイツの勝利に終わった。 史実とは違い一度の戦争で終わったのである。 これに対してデンマークはまだ戦える、負けていない!と憤慨するが、元々デンマーク=ノルウェーの力が削げた方がありがたいスウェーデンは幾度も本土奪還作戦が失敗している現実を理由に実質デンマークの負けであることを言うのみであった。 流石にまだ全面戦争はできない英露両国は準備が整った将来には必ず与力し、同地域をデンマークに返還させるという密約を交わし、どうにか同国を説得させることに成功した。 968: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 57 19 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 実際のところ英露はデンマーク=ノルウェーという味方を欲しているための芝居である。 同国が英露陣営に来ればバルト海や北海の制海権は確実になり、イギリスはアイスランドやグリーランドという後背を気にすることなく、全力で独墺葡と戦える状況を作れる。 バルト海の制海権を確実なものにできるのなら海軍力で劣るロシアからしても悪くない話であった。 そして今回の戦いを仲介したスウェーデンは必要以上に英独の思惑に乗る気はないが、デンマークの力が削げ、更に敵意はプロイセンの方に行くのは都合が良いと両国の策謀をわざと見逃していた。 何より海軍力で劣る独墺側がバルト海や海峡を越えて北欧に攻めてくることはできないという確信があってのことである。 そんなことをしようものならイギリス本土の前を艦隊が通る必要があり、必然全面戦争となるためであった。 そして英露の思惑通りに結果に納得のいかないデンマークは将来のシュレースヴィヒ=ホルシュタイン地域奪還のため英露陣営に近づくこととなる。 対してドイツは純粋に喜んでいた。また一つ国を打ち破り、ドイツの強大さを示せたと。 実際この戦いにおいてドイツ国内の人間はドイツ国民意識の完全なる形成に成功したと言っていい。 だが同時にドイツとオーストリアは結局バルト海の制海権を取り切れないことを強く認識することとなる。 これに対して湾岸砲台の創設やバルト海方面の艦隊増設などで対応していくのだが、焼け石に水なことは認識できていた。 そうして悩む両国が目を付けたのがこの時期に試験に成功していた飛行船であった。 これを切っ掛けとして独墺両国は史実よりも速い飛行船の実用化と空中艦隊の創設を行うのだが、それはもう少し先の話である。 969: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 58 02 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇オランダ 大陸スレのアイドル国家。 この世界では割かし普通であったが、日本と関わったせいでやはり史実とは違う形となってしまった。 この世界ではナポレオン戦争が起きていないためネーデルラント連邦共和国のままである。 そのため東南アジア植民地や南アフリカ植民地ことケープ植民地もイギリスに奪われずに済んでいる。 南アメリカのオランダ領(ガイアナ、スリナム、ギアナ)もそのままである。 詳しく言えばイギリスはポルトガルからモザンビークを奪い取った後で次は南アフリカやセイロン島を持つオランダに狙いを定めていたが、その前にポルトガルとオーストリアによるどんでん返しが起こり、それどころではなくなった。 このためイギリスとの間にボーア戦争も起っていない。 さて。このオランダは鉄血でもなければ、王国でもない。 実際にはオラニア=ナッサウ家がオランダ総督の地位の殆どを独占しているので実質王族みたいなものだったが、取りあえずは連邦共和国のままであった。 フランス分割時は仏本土との間にオーストリア領ネーデルラント(今でいうベルギー)があったため殆ど介入できずに終わる。 しかし戦国の時代から日本と関わってしまっている。なのでこの世界でも史実とはまた違う在り方となっている。 主にアジアの方の話であるが、ここの日本は戦国時代の終わりから積極的に対外進出を行っている。 その一環として東南アジアでもニューギニア島を丸々占有しており、近場の史実で言うビスマルク諸島やソロモン諸島、ニューカレドニアなども有している。 そしてニューギニアを持っているということは勿論日本もオーストラリア大陸へと開拓地を築いている。 その協力を行ったのが何を隠そうオランダであった。 詳しく言うと開拓のための物資運搬の一部をオランダに依頼し、植民地開発の安定化を行ったのだ。 結果日本はオーストラリア北部に上陸。そこから徐々に開拓を始めていくこととなる。 詳しい経緯は日本の説明欄で書き記すため、ここでは省くが最終的にオーストラリアのほぼ全てを手中にした日本は同じく発見したニュージーランドを開拓費用や物資を引き換えにオランダに売り込んだ。 オランダもそこまで高い買い物でないからとニュージーランドを買い取ることとなった。 当時の日本はオセアニアだけではなく、カムチャツカからアリューシャン列島を通りアラスカ湾ルートで米西海岸に進出したり、太平洋を横断してはハワイに行きついたりなど非常に手広く開拓をしていたため、何かと付けた金と物資に不足していたのが原因である。 こうしてオランダは史実では得なかったオランダ領ニュージーランドを手にすることとなった。 この地は早くから開拓が進み、史実のように羊の王国となって東南アジアのゴムや砂糖と共にオランダの重要な輸出品となる羊毛を産出するようになるのだが、それはもう少し先の話である。 話を戻してオランダの東南アジア植民地に戻る。 日本の開拓支援の対価としてニュージーランドを得た以外はそこまで史実と差のないオランダであったが、オランダ東インド会社が放漫経営で史実のように経営が悪化している点も同じであった。 むしろ史実よりも早くに経営が悪化したのだから、史実より酷くなってる。 ボーア戦争もない、ナポレオン戦争による被害もないくせに放漫経営のみで史実と同じに陥るというのは流石と言えようか。 もしくは史実よりも余力があったからこそ慢心が酷くなったか。 とにかく史実より早く経営が悪化したオランダ東インド会社であったが、史実ではこれが解散された後はフランスが建てたオランダに建てた衛星国バタヴィア共和国に業務や負債が引き継がれるのだが、ここではナポレオン戦争なんてないためオランダ連邦共和国自身が負債を引き継ぐこととなった。 無論史実より良い経営状態なのに史実より酷い負債を抱えているのだから、その額も凄まじいものであった。 970: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 58 34 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 最近再びオランダのアジア植民地を狙う動きを見せているイギリスに対しての備えも必要な中でオランダ東インド会社の再建は無理すれば出来るが、無理したくない現状という構図に陥っていた。 そんなオランダに救いの手を差し伸べたのがかつてからの顧客である日本であった。 植民地拡大と開発が一段落した日本は余力があり、その余力を持って同社に投資するというのだ。 代わりに日本からの経営指導を受けること。つまり経営権の譲渡が条件である。 流石のオランダもこれには躊躇したが、あくまで経営指導であって、会社の経営権を完全に譲渡するわけではない。 得られた儲けや利権の殆ども今まで通りオランダに必ず渡すなどの日本側からの寛大な譲歩もあり、オランダは一時的に日本からの経営指導を受けいれることを受諾した。 オランダからしてもメインの交易はバルト海貿易と地中海貿易のため、最悪アジア貿易を失ってもどうとでもなるという考えがあったことも記す。 結果日本はオランダのアジア植民地を割かし好き勝手できる権利を手に入れたのだった。 そして日本は現地の残ることを了承した幾人のオランダ人を神輿に祭り上げながらも本格的な改革を進めていくこととなる。 ご近所が独立騒ぎだ、革命だ言い出すと日本の東南アジア及びオセアニア植民地運営に悪影響が出るのだ… こうして経営指導という名の実質経営権を日本に牛耳られたオランダのアジア植民地は急激に業績を改善していく。 今までのやり方を完全に変え、現地人を迎合する形にし、彼らすら経済に取り込んでいくその経営方法は現地に残ったオランダ人経営陣には今まで感じたことのないカルチャーショックをもたらした。 初期投資こそ多大な額が必要だが、現地人が協力的でいて更に今までと比べ物にならない利益を出す日本の方法は基本的に如何に上手く搾取するかのみの欧米式植民地運営方法とは根本的に別物であった。 特に現地人を労働力だけではなく、金の使い方を覚えさせ、経済に組み込むという方法は協力していたオランダ人官僚や政治家にとっては正にただの石が黄金に代わる錬金術であった。 また現地人を教育し、高度に組織化させるこの方法は一歩間違えば反乱や独立に繋がる危うさも内包していたが、そもそも現地人に金の使い方を覚えさせた関係上既にオランダの経済圏に取り込まれており、現地人単独では今の暮らしを維持できない状態に変化してしまっている関係上、早々簡単に宗主国との繋がりは切れないという点もポイントが高かった。 初期投資も必要なら、物理的な貨幣の流通量も増やす必要であり、現地人を教育する手間暇や独立される危険性が上がるという欠点も多々あるが使い潰すだけだった労働力を経済力も生み出す存在に変えるこの方法は他の植民地でも多かれ少なかれ流用できることは目ざといオランダ人商人や官僚ならすぐに理解していた。 こうしてオランダの東南アジア植民地は根本的な経営方法の改善と現地支配体制の変更により資源があるだけの赤字部門からオランダの貿易量の1/3を占める巨大な経済圏へと生まれ変わった。 元々がバルト海貿易が2/3、地中海貿易が1/3を占めていたのを。バルト海1/3、地中海1/3、東南アジア1/3にまで変えたのだからその凄まじさがわかる。 特に現地の作物や植物を使った一風変わった酒類は本国や欧米でその珍しさと味から飛ぶように売れており、オランダの新たな目玉商品として定着するほどである。 こうして赤字部門から一転して超黒字部門に変わった東南アジア植民地。 日本はちゃっかり現地に自国の権益を幾つか残しながらも役目は終わったとばかりマニュアルごと経営権をオランダに投げ返していった。 オランダは日本が単なる金持ちというだけではなく、凄まじい経済モンスターであることをその身で学んだのである。 同時に日本が本気を出せば武力的にも経済的にも一瞬で東南アジア領が陥落するであろうことも理解した。 同時にそんな存在が友好的だったのを神に感謝した。 武力もあれば金もあり、頭も回る遠い植民地の傍の大国と敵対するなど百害あって一利なしだからだ。 971: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 59 04 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp そういうことでオランダは以前よりも日本との仲を深める方針を再確認した。 警戒こそ必要だが、日本との関係は儲かると理解したためである。 元々戦争で儲けてきたオランダだからこそリスクのない儲け話はないと言わんばかりにのめり込んでいくこととなる。 因みにオランダ領ニュージーランドが羊の楽園に変わったのも日本が色々弄っていったここら辺からである。 その後の話をしよう。 赤字だった東南アジア植民地が十数年程度で黒字部門に化けたからか以前よりも手ぬるい(ブリカス比)統治に変更していたオランダであったが、同時に金の匂いを嗅ぎつけたイギリスもその手を伸ばしてきた。 実際イギリス領インドのみならず、ビルマ(ミャンマー)もイギリスの手に落ちたことを見てオランダは東南アジア領の防衛力強化を決定。 東南アジア領内の良港を選定、開発。海軍戦力の増強を図った。 同時にイギリスがちょっかいを出すようになった東南アジア諸国にも接近。 元々がオランダの庭だったのだからイギリスに取られるのは癪だと言わんばかりに外交攻勢を開始した。 事実現地の東南アジア諸国(史実で言うところのベトナム、ラオス、カンボジア、タイなど)はビルマがあっけなく陥落したのと、特に何もしてくれない清の態度に不安を感じており、オランダの話に乗ることを承諾。 ここにオランダ保護領ベトナム及びラオスが誕生することとなる。 オランダはこの話に日本も巻き込んでおり、日本保護領カンボジアとタイも誕生することとなる。 イギリスはこのオランダの動きに歯がゆい思いを感じながらも次の獲物に目を付けていた。 当時はまだ眠れる龍との評価を得ていたアジアの大国の一つ。大清帝国である。 イギリスはアヘン問題を逆手にとって清とアヘン戦争を開始。更にイギリスと同盟を組んでいるロシアも清との戦いに参加し、清国は瞬く間に両国に制圧された。 この様子をまじかで見ていたオランダは改めて英露の脅威を認識。 日本のみならず中南米の覇者であるスペインにも改めて接近を開始。 同じ太平洋グループということで日西と共に相互の防衛条約を締結することとなる。 WW1時には日西同様自国艦船をイギリス陣営に誤って沈められたことからオーストリア陣営側に参加。 日西と協力しながら中華民国や極東ロシア軍、更にイギリスのインド駐留軍を粉砕。 スエズも確保。オランダ本国の方ではイギリス本土やデンマークなどに積極的に攻撃開始。 攻めこまれたら本土が持たないというわけでスペイン本国軍と共に無限攻勢を仕掛けて見事イギリス本土やデンマークのノルウェー領を陥落させることに成功した。 戦後は日西と共に最近復活気味の革命主義者や暴走の酷いアメリカに頭を悩ましている。 972: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 16 59 47 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇日本 我らが主人公。フランスが消えたり、スペインが復活したり、イギリスのブリカス度が急上昇しているこの世界でも変わらずゴーイングマイウェイを貫く国。 ここの日本は戦国時代が終わった後に対外進出を開始。 北はカムチャツカ、南はニューギニア島、東はウェークやミッドウェー、西は台湾と大きく領地を拡大。 これには当時の転生者集団が大きく関わっているのだが、その話は割愛する。 その後領地の拡大、開発、安定化が進み、東はハワイまで到達。北はアリューシャン列島沿いにアラスカに到達。 その後はアラスカ湾沿いに史実ではユーコンテリトリーやブリテッシュコロンビアと呼ばれる地域を先んじてかすめ取り、米西海岸に到達。 西海岸到達後は史実においてワシントン、オレゴン、アイダホと呼ばれた地域を確保。 アラスカやブリテッシュコロンビアと合わせ日本北アメリカ領が誕生することとなる。 同時に同じく西海岸を探検していた当時のスペイン勢と接触。 その後こんな辺鄙なところで戦うのも馬鹿らしいと両者の本国合意の上で西海岸を南北で分かち合う条約を締結。 オレゴンやアイダホより北は日本領土。カリフォルニアやネバダより南はスペイン領土と互いに承認した。 同時期南方方面ではニューギニア島を拠点にオーストラリアにも進出を開始。 途中イギリスの入植者と出会い幾度が衝突に発展する。 以降何度かの衝突の後に大まかに北部は日本、南部はイギリスが領有することに決定されるのだが、それが決まるまで幾度も恣意的に攻撃が行われたことから日本はイギリスへの不信感を抱くこととなる。 その後当面は両者ともこれといった衝突は起きず、南北で開拓を続けていたが、ある時イギリス入植領にてラム酒の反乱が発生。 史実より大分早く起きたこの反乱はイギリス本国が同時に東アフリカ平定に力を入れて史実ほどオーストラリア入植に力を入れずおざなりにした結果発生した反乱であった。 当時のイギリスは突然のポルトガルの離反(原因はイギリスの強欲)とオーストリアのグレートプレイヤーデビューに慌てふためいており、この小規模な反乱は無視された。 (史実でも2年ほど放っておかれている) このことに現地で反乱を起こした軍人たちは喜んだが、それは時を進めていくうちに不安に変わった。 史実よりもずっと長く放置が続いたのである。しかも本国からの支援も応答もなしに。 こうして反乱を起こした軍人たちは徐々にだが立ち枯れていくこととなる。 そのことを見ていた北部の日本が彼らを不憫に思い…という建前で南東部を取り込むチャンスとばかりに各種支援の取引を開始。 イギリスがようやく豪州の反乱に目を向けた時には南東部の植民地はすっかり日本に取り込まれていた。 開拓の進んでいる豪州北部やニューギニア島などから南東部へと生活に必要な殆どの物資を届けており、現地は既に日本に生命線を握られていた。 そこにニュージーランドを日本から譲られたオランダやフィリピンのスペインも商談に参加。 完全にオーストラリアのイギリス植民地を日蘭西の経済圏に取り込まれることとなった。 流石のイギリスもこれには嫌味と抗議を向けたが、表面上は未だイギリス領のままであり、本国の支援がない中で一致団結して植民地運営と開拓をしていただけと言われては全く持ってその通りであったため何も言えずにいた。 事実現地で挙げられた利益はきちんと本国に届けられていたからである。 未だアフリカ情勢や欧州情勢が安定化していないイギリスは仕方なく豪州を損切り。 代わりにインドを通じてビルマに干渉。 上手くビルマを嵌め、彼等から攻撃させることにより逆にビルマ本国攻撃の大義名分を得て、同国を手中に収めることに成功した。 以降イギリスはオーストラリア植民から事実上撤退することとなる。 日本はこうして入植初期における借りを返したことに成功した。 それからのオーストラリアは日本が豪州西部にも進出。そこを開拓地としたところで南東部のイギリス()植民地も正式に日本の領土として合流することとなった。 973: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 00 28 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp まとめると日本は大分広く手を付けている。 西は台湾を領有した程度であるが、南方ではニューギニア島やその周辺諸島を粗方自国領に。 また豪州の完全併合も達成している。 東方ではウェークやミッドウェーなどの島々の発見。最終的にはハワイを発見し、ここと友好関係を築くことに成功する。 ハワイは後に世界情勢を見て日本への正式併合を打診することとなる。 最も大掛かりだったのが北方開拓。 北海道、樺太の占有は勿論のことロシアの探検隊より早くカムチャツカの領有に成功している。 そのままカムチャツカを拠点にアリューシャン列島へ進出。アリューシャンの島々を徐々に探索していきながらアラスカに到達。 ここも正式に占領。以降はアラスカ湾沿いに南下していきり、史実でのユーコンテリトリーやブリテッシュコロンビアも領土に加えながら南下。 ワシントンやオレゴンといった米西部海岸に辿り着き、南下作業の最中にスペインと接触。 話し合いの結果西海岸は日西で穏便に南北に分けることで落ち着いた。 このため北はカムチャツカやアラスカ、東は米西海岸、南はオーストラリア、西は台湾はかなり手広い帝国となっている。 同じ太平洋で利権を持つオランダやスペインからは太平洋帝国の別名で呼ばれている。 現在は欧州の争いから実質身を引いているオランダやスペインと共に太平洋において巨大な経済圏を構築。 欧米の争いをしり目に安定した成長を続けている。 またイギリスが徐々にインド以東にも進出を開始。 史実通り貿易関連を中心に大清帝国へちょっかいをかけ始めている。 同時にイギリスは豪州から追い出された件から内心では日本を将来的な敵とし認定している。 対する清は内部腐敗が酷いためこれといった反応はせず。朝鮮はここの世界線でも日中激突からのリング扱いはごめんだと適当なものに祈っている。 ロシアはシベリア探検で幾度か日本の調査隊と接触。史実と違いアラスカもカムチャツカも得られておらず、初期の国境線制定の際に幾度か小規模な武力衝突が起きている。 WW1は英露の属国であった中華民国の船が誤って日本船を撃沈したことから独墺葡の協商陣営に参加。 同じように船を沈められた蘭西と協力しながら英露その他を粉砕した。 戦後は余力のある蘭西と協力しながら再び世界に蔓延り出した革命主義者への対応や、最近暴走の酷いアメリカグループの監視にと仕事だらけである。 974: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 01 00 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇ロシア帝国 フランスが消滅したこの世界でも元気。 しかしフランス革命の最後を恐れて史実以上に共和主義者や共産主義者への弾圧が顕著に行われている。 ポーランド分割までは大体史実だが、ナポレオン戦争がないことにより焦土戦が発生しておらず、同時期の史実と比べて幾分余力がある。 また同戦争がないためスウェーデンとも戦争が勃発しておらず、フィンランド地域を獲得していない。 東欧、バルカン、コーカサス地域へ進出を狙っており、度々オーストリアやオスマンを衝突している。 このため彼等との仲の悪さを見たイギリスが同盟を持ちかけた結果作られたのが英露同盟である。 その後すぐにデンマークも加盟し、英露丁同盟の三国同盟となる。 同盟後は最初の標的とされたオスマンとの戦争であるクリミア戦争が開幕。 グレートプレイヤー同士のタッグは非常に強力でオスマンは瞬く間にズタボロとなり、史実よりも大分早く領土の殆どを失陥。 更に戦後の英露との条約で実質属国状態に。 ペルシャも別口でイギリスにボコられ、おまけにロシア帝国にも領土の幾ばくかを奪われた挙句条約により属国状態に。 その後はバルカン半島やオスマン領で欧州諸国と小競り合いしながらも極東に進出。 大清帝国とイギリスとの間で勃発したアヘン戦争ではイギリス側で参戦。 実質清国を英露で切り分けることとなった。 清国から満州と沿岸州、山東半島や天津が面する黄海一帯の領土を奪い取り、次の目標を日本と定めたロシアは速攻日本と戦争を開幕。 朝鮮や極東ロシア地域を舞台に日露戦争が勃発する。 しかし転生者inの日本がそのことを読んでいないわけもなく、史実よりも巨大化した日本+戦国時代の終わりから続けられた拡張政策により得られた国力+転生知識という三重のバフがかかった日本に極東ロシア軍や中華民国駐留軍が真正面から粉砕されるオチに。 更にはイギリスやデンマークの支援の下でほぼ完璧な状態で向かったはずのバルチック艦隊も真正面から粉砕された結果日露戦争はロシアの惨敗で終わる。 独墺葡陣営との決戦を前に痛手を負ったロシアであったが、イギリスとデンマークの支援と持ち前の国力を活かして短期間で復活。 その後は英露丁陣営こと連合側から独墺葡陣営こと協商側へ先制攻撃を仕掛ける形でWW1が始まる。 WW1の経過に関しては内容を省くが日蘭西の参戦やアメリカ合衆国の奇襲により連合側が敗北。 戦後は幾つかの領土を他国に奪われ、政治体制を変えられながらも一応の存続が果たされた。 最も今度は戦時中に侵攻、戦後の治安維持のために一時期駐留した米軍から過激な革命思想が国内に伝播したことにより、史実とは違った形のロシア内戦が起こるのだが… 975: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 01 30 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇アメリカ合衆国 この世界ではほぼ唯一と言っていい宗主国から武力で独立を勝ち取った近代国家となる。 最もテキサスを始めとする南西部の殆どをメキシコに抑えられ、西海岸も日西が先んじて確保して分割しているため領有していない。 このため西部と南西部を中心に大きく領土が削れており、アメリカ合衆国領は東部と中央部。そしてフロリダなどの一部の南部のみである。 独立後は史実のように幾度かスペインに戦争を仕掛けている。 二度仕掛けた米西戦争はスペインに惨敗している。そしてスペイン帝国はその度に新たに全てを打ち負かし、逆に今のアメリカとの国境線を承認させている。 そして出来上がったのが現在の南西部がスペイン領となった今の形となる。 フランス革命が不発どころかフランスという大国を崩壊せしめる原因となったこの世界では欧州や南米では共和革命や独立を目指した勢力の殆どは弾圧されこの世から消えた。 共和主義者は基本白い目で見られ共産主義なんて以ての外である。 現在この世界での主流は皮肉にもイギリス式の立憲君主制となっている。 穏健派の共和主義者の多くは立憲君主制支持者であり、それに迎合しないものは大抵ろくな目に合わない。 そのためアメリカには全世界から共和主義者や共産主義者が終結している。 イギリスという世界に名だたる大国から戦争の末に独立せしめたアメリカは彼等にとっては最後の希望の星なのだ。 そのため以外にも史実には流石に劣るが相当数の移民がアメリカに集まっている。 アメリカからしても史実ほどの領土は持っていないため丁度いい流入数だと思われる。 そんなアメリカは欧州の戦いには一歩身を引きながらも各種商品を売買で利益を上げていた。 特に増加する各種植民地への投資は一種のブームとなっており、スペインに負け意気消沈していたアメリカの経済を一気に回復せしめるまでとなる。 その後はほのぼの経済ゲームに勤しんでいたアメリカであるが、ここで一つの転換期を迎えることとなる。 南北戦争の勃発。 大方史実と同じような原因と過程で起こったこの戦争は北米南西部の多くがスペイン領になっている関係から南部のアメリカ連合国領土は史実よりもずっと少ない状況で始まった。 それに対して北部は大まかには史実と左程変わらない領土で推移している。 このため両軍は史実以上の国力差が開いており、内戦の行方は火を見るより明らかだと世界各国から思われていた。 しかし、そこに手を入れたのがイギリスであった。 イギリスは欧州にてオーストリアとポルトガルを中心とした対英陣営発足により、味方を求めていた。 ロシアやデンマークを引き込み、無理矢理オスマンやペルシャを従わせている状況は作ったが、中立を表明しているオランダとスペインは元々イギリス嫌いで有名であり、アジアの大国の片割れである日本とも関係は不安定であった。 そのためイギリスは更なる味方を求めていた。 具体的には欧州やアフリカからは離れているが、イギリスを支援しやすい位置にいて、それなりの工業力か将来性のある国が望ましい。 そう考えていた時にアメリカで南北戦争が勃発した。もしもこの時に南北戦争が起きずにいれば、イギリスはあの手この手でアメリカを自陣営に引き込もうとしただろうが、タイミングが悪かった。 イギリスの目線は滅亡必須と見られていたアメリカ連合国に向いたのである。 結果米連合にはイギリスから大量の支援と義勇兵が到着。 国力で圧倒するはずのアメリカ合衆国と互角に渡り合うまでの急軍拡を遂げた。 無論アメリカ合衆国もイギリスに全力で抗議したが、なしのつぶて状態であり、これは不利なアメリカ連合国を助けようとする市民たちの自発的な義勇行動であるの一点張りであった。 厄介だったのはアメリカ合衆国国内でもこのイギリスの表明を支持する人間が一定数存在したことであった。 北部ことアメリカ合衆国市民や上流階級の大多数はまだ戦況は優位に運べると楽観視していたのである。 だが、そのお気楽な考えはすぐさま粉砕されることとなった。 976: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 02 13 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 元々士気の高かった南軍側に武器と物資と義勇兵の援軍である。鬼に金棒と言っていいこの組み合わせは瞬く間に攻め寄せた北軍を駆逐。 逆に北部州への逆撃を開始した。 これに慌てたのが北軍やアメリカ合衆国市民であった。彼らはようやく認識することとなる。 吹けば飛ぶような反乱勢力であったアメリカ連合国には世界最強の海軍力を誇るイギリス帝国がバックについたのだと。 初期の大敗以降北軍は死に物狂いに戦闘を開始。史実の南北戦争以上の惨劇がそこら中で起こることとなる。 北軍は途中から反撃を開始したが、その反撃攻勢の殆どはイギリス義勇軍の活躍により失敗に終わる。 イギリスは様々な兵器を北米に持ち込んでおり、実質新兵器の実験場としても扱っていたのだ。 途中からこれは不味いと思った独墺葡陣営もアメリカ合衆国に多数の物資援助や義勇兵の派遣を行ったが、海軍力で上を行くイギリスに邪魔されたり、供給量に差が出たりなどした結果北軍の勝利へとは繋がらなかった。 結果だけ言えばアメリカ合衆国はアメリカ連合国の離脱を阻止できなかった。 南軍を攻めきれず、市民の厭戦感情が先に我慢の限界に達したのである。 こうして史実以上の血に塗られた南北戦争はアメリカ連合国の独立という北軍の敗北に終わった。 イギリスも少なくない被害が出た戦争であったが、北米南東部に新たに親イギリス国家と言えるアメリカ連合国を得ることができた。 また史実では特殊事例と切って捨てられた機関銃を用いた防衛線や塹壕戦のノウハウもきちんと学習したイギリスは後の独墺葡陣営との戦いにそれを活かすこととなる。 実質負けたアメリカ合衆国だがリメンバーシビルウォーとはならなかった。 元々厭戦感情による停戦、独立承認と独立戦争以降はこれと言って勝てた戦争がないためすっかり意気消沈してしまったのだ。 このためアメリカ合衆国は当初の独墺葡陣営の予想に反して左程協力的な態度ではなかった。 しかし、アメリカ人の心の奥底ではイギリスと裏切者のアメリカ連合国への憎しみがくすぶり続けることとなる。 少し未来の話をしよう。 この世界のWWⅠは史実とは大分違った形で起こる。 大まかには遂に独墺葡陣営の協商と英露丁陣営の連合での全面戦争が起こるのだ。 戦況は五分と五分で推移し、泥沼の戦いを見せていたが当時連合側に属していたアジアのとある国が日本に対してやらかしてしまう。 その結果日本が協商側で参戦。蘭西も日本と締結していた相互防衛条約に基づき連合陣営に宣戦布告し、情勢が一気に変動することになる。 どう見ても連合側不利に見えるこの状況は北米においてイギリスへの憎しみを燻りさせ続けていたアメリカ合衆国の心に火つけた。燃え盛ったどころか大火事状態である。 イギリスがアメリカ連合国を助ける余裕がないことを見るに半ば奇襲気味に宣戦布告。 瞬く間にアメリカ連合国を叩き潰し、再併合してしまう。 そして返す刃でカナダにも侵攻。カナダは果敢に抵抗したが元々戦力を欧州に派遣していた関係上復讐に燃える米軍に対抗しきれず陥落してしまう。 その後はグリーンランド、アイスランド、そして英本土に米軍の魔の手が伸びて結局は英露丁連合の敗北に終わるのだが、ここからが不味かった。 アメリカ合衆国は南北戦争での恨みを忘れておらずイギリスに多大な賠償金を求めた。 アメリカ連合国やカナダなどはそのまま併合し、現地の人間は裏切者の子孫や卑怯者の召使いとしてアメリカ合衆国において下層階級に落とされてしまう。 そして何よりアメリカ軍が軍を派遣した英本土やロシア、デンマークといった敵対国家地域や味方として訪れた独墺葡の地域にはとある者達が潜り込んでいた。 アメリカ合衆国に逃げ込んでいた共和主義者や共産主義者たちである。 既にアメリカ合衆国に逃げ込み半世紀以上。共和主義者と共産主義者が悪魔合体をしていることは想像に難くなく、戦時中、戦後の進駐において多数の過激な革命思想が敗戦で気落ちする人々や勝ったはずなのに苦しい生活を強いられる人々に忍び寄ることになる。 977: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 02 45 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 戦勝に湧く協商こと独墺葡陣営や欧州から遠く離れた日蘭西はこのことに気づくはずもなく、敗戦した国々を中心に瞬く間に革命思想は伝播していった。 こうして戦後に残されたのは勝ったは良いが大きなダメージを負った独墺葡陣営と革命思想渦巻く敗戦国たち、そして史実のナチスかソ連かと見間違わんばかりの特定人種差別国家と化し、独立以降の始めての大勝に浮かれるアメリカ合衆国であった。 そして百数十年振りに自信をつけたアメリカが次に狙う国…それは自国をかつて二度も負かせた隣国。 本来ならば神より賜ったはずのフロンティアを奪い去ったイギリス以前の怨敵。 その名をスペイン帝国という。 アメリカは準備を始める。まずにっくきイギリスから解放されたオスマンやペルシャといった同じ境遇だった同胞たち。 彼等に戦後になり余り始めたアメリカの各種物資を送り付け、経済的に取り込むことから始める。 今こそかつて我々を虐げた者達に復讐しよう。そして今なお富を貪っている連中からも奪い取ろう。それが我々が本来持つ正当な権利であると囁きながら… 978: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 03 18 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇その他の国々 オスマン帝国 フランス分割の時点で衰退した大国となっていたオスマン。英露の被害者その1。 史実通りロシアにぶん殴られたと思ったら、オーストリアとイギリスが自国の領土で好き勝手始めたのでキレたら逆ギレかまされたボコボコにされた。 挙句にバルカン方面では史実より強大になったオーストリアにボコされ、コーカサス方面でもロシアにボコされ、最終的にクリミア戦争という名の英露によるリンチにより瀕死の大国から死なせてもらえない死人にクラスチェンジした。 その後は実質的に英露の属国としてWW1に臨むこととなる。 内心は勿論絶対英露殺すマンと化していた。WW1中は日蘭西の参戦によりペルシャ、中国と共にいち早く脱落。 戦後は幾らか領土が戻されて独立復帰となった。 しかし散々足蹴にしてくれた英露への恨みは未だに続いている。 そのためイギリス絶対許さないマンのアメリカと手を組み史実ナチス張りの差別国家に転身。 スラヴ人やイギリス人を収容所送りにするような国家として復活した。 同じく復活したペルシャと共に内戦中のロシアにちょっかいかけて黒海周辺や中央アジアの過半を奪い取ったり、アメリカやペルシャと組んで旧イギリス領のインドや東アフリカに手を出したりなど割とやりたい放題している。 ペルシャ 英露の被害者その2。 オスマンがボコされるついででボコされ、オスマン同様英露の属国に落とされた。 その後はこれまたオスマン同様無理矢理WW1に参加させられ独墺葡の協商陣営と戦わされたが、日蘭西とアメリカの参戦で戦況は急転。 同じ属国仲間であるオスマンや中華民国と共に真っ先に脱落することとなる。 戦後はある程度領地回復がなされ、独立復帰に。 しかし英露への憎しみは消えず、その点をアメリカに焚きつけられた結果オスマンと仲良く史実ナチスのような強権国家に生まれ変わる羽目となった。 ロシア内戦に首を突っ込んで中央アジアの殆どを分捕った挙句に、インドにも手を出してパキスタン地域を分捕っている。 中国 ここでは元々大清帝国こと清であったがアヘン戦争により英露により分割される。 満州や天津あたりはロシアに奪われ、海南島を始めとする南部や福建などはイギリスに奪われることとなる。 残った地域は両国に都合の良い属国の中華民国として残された。 日露戦争の際には参戦ことしなかったがロシアに義勇軍を送るなどして日本のスコアを底上げさせていた。 その後のWW1では他の属国仲間と共に連合側として参戦。 しかしやっぱり根が中国だったためなのか、敵である協商陣営の商船と間違え撃沈。 本来なら謝罪するところなのに、無駄に維持張ってしまい日本との仲が拗れることに。 更に駄目押しとばかりにイギリスの船がオランダとスペインの船まで沈めてしまい日蘭西三カ国が参戦する切っ掛けとなってしまった。 これは当時の連合陣営が陸上国家である独墺葡の本国を干殺しにするための無制限通商破壊を行っていたためと、長引く戦争のため海軍も人員不足気味になっており、船員たちの練度が低下していたため起こった事件だと言われている。 そう。日本の参戦を招いたアジアの連合国とは中華民国のことだったのだ。 というわけで参戦した日本とオランダによって中華民国軍と極東ロシア軍は日露戦争の焼き増しと言わんばかりに粉砕。 戦争から脱落した。 戦後は一応領土の回復と独立復帰が許されたが、日本に対してやらかしたことからチベット、ウイグル、満州、雲南は中華民国とは別に独立。 更に内蒙古をモンゴルに譲渡させられるなど属国グループの中では一際厳しい措置がなされた。 これは日本が丁度いいから中国分断して脅威をなくすべとしたためである。 無論このことに中華民国は抗議したが、真っ先にやらかした敗戦国の声など誰も聞いてくれず、戦後になっても不満を貯めていた。 そこに新たにスペイン帝国を新たな仮想敵国としたアメリカが接近。 君の気持はわかる。不当に奪われた領土を取り戻そうと唆しながら支援。こちらもチャイニーズナチスと化していった。 ロシア内戦時はどさくさ紛れにシベリアの幾つかの領土を分捕ることに成功している。 979: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 04 06 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp アメリカ連合国 南北戦争で独立した国。スペイン帝国健在のおかげで史実より少ない領土=低い国力で頑張る羽目となった。 幸い自称足長おじさんことイギリスからの手厚い支援によりどうにか独立に成功。 その後はイギリスの支援を受け続けるため、実質英露陣営に参加した。 実は内心あんまりイギリスのことは信用していなかったのだが、独立を維持するためにも致し方ないと割り切っていた。 WW1は英露こと連合陣営として参加。 主に航空戦や海戦で活躍した。 しかし英中のやらかしで日蘭英が協商側で参戦したため戦況が一変し、更にアメリカ合衆国が奇襲気味に宣戦布告。 殆どの戦力を欧州に派遣していたアメリカ連合国はスペイン帝国とアメリカ合衆国に挟まれ瞬く間消滅した。 戦後は独立復帰も許されず合衆国に併合されている。 しかし元アメリカ連合国国民の扱いは良いとはいえず、合衆国内では裏切者と差別され、南部に作られたゲットーの中に押し込められるなど非常に悪い待遇が続いている。 このため旧アメリカ連合国領土内ではアメリカ合衆国への不満が蓄積しており、近年では共和主義と共産主義の悪魔合体である革命主義が浸透して始めている。 そのため元より不安定な治安が更に悪化し、それをアメリカ合衆国が武力で弾圧するなどして更に治安が悪化するなど負のループが続いている。 カナダ イギリスの植民地。フランスが消滅したこの世界では史実で固持されていた近隣のフランス領土も併合しているため、史実よりちょっぴり領土が増えている。 大体史実通りであるが、フランスが消滅しているのでケベック問題などは史実よりも幾分大人しい。 WW1後はアメリカ合衆国に全土を併合される。 アメリカ合衆国内では卑怯者やイギリスのコバンザメとして差別されており、元アメリカ連合国国民と同じように不満を貯め込んでいる。 そこに改めて旧フランス系人民問題に火が付き、それらが革命主義者などと悪魔合体し、フランスの亡霊のようなものがのさばり始めているのが現状である。 無論アメリカ合衆国は武力をもってこれを容赦なく鎮圧している。 980: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 04 38 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp スウェーデン 通称バルト帝国。この世界ではナポレオン戦争がないためロシアと戦争をしておらず、フィンランドを失っていない。 このためある程度勢力をとどめたまま北欧に影響力を発揮している。 スペインやオランダと同じく欧米の狂騒から一歩引いた中立勢。 しかしデンマークとドイツの仲裁の時にはドイツ有利の交渉を持ちだすなど、同じ北欧勢であるデンマークにはあたりが強い。 それでいて英露の思惑に気付きながらスルーするなど良くも悪くも中立国をしている。 またドイツとオーストリアの北欧自由宣言にもまともに対応していない。 これは両国の海軍力ではバルト海を制圧することは無理だと悟っているからである。 WW1の際には最後まで中立を貫き通した。 戦後は泥沼の殴り合いをしていた協商陣営で敗戦した連合陣営よりもマシな余力を維持している。 しかし戦後はデンマーク・ノルウェーやロシアから流れこむ革命主義者に四苦八苦しているなど新たな問題に頭を悩ましている。 デンマーク=ノルウェー二重王国 ナポレオン戦争がないため二重王国のまま存続しているデンマークとノルウェー。 しかし史実と同じくプロイセン改めてドイツとシュレーヴィヒ=ホルシュタイン地域を巡る戦争が起こり、史実よりも速くドイツに敗戦して同地域を取られてしまう。 結果恨み骨髄となったデンマークは英露陣営に参加。上述の地域奪還を目指し国力増強を進めることとなる。 そして遂に訪れたWW1。真っ先にドイツに殴りかかりシュレーヴィヒ=ホルシュタイン地域を奪還。 その勢いのままドイツ本土に流れ込み泥沼の戦いを繰り広げた。 途中同盟国のやらかしで日蘭西米参戦したため結局敗戦。 シュレーヴィヒ=ホルシュタインは結局ドイツに取られたままになってしまった。 それどころかデンマーク海上帝国は解体され、本国のデンマーク以外にノルウェーは独自の国家として独立。 アイスランドやグリーンランドも同様の措置となった。 結局奪われた土地は取り返せず、国土もバラバラにされたデンマークでは特に戦後の情勢に強い憤りを感じている人々が多く、革命主義勢力が最も勢力を伸ばしている地域となっている。 このためデンマークを経由してスウェーデンやドイツへの革命主義勢力の拡大が起きている。 981: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 05 13 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇用語説明 フランス分割 史実よりもフランス革命が過激化したことによりナポレオンを始めとする史実のフランス偉人がほぼ全員死亡。 結果革命の混乱を収める人物がおらず、フランスは自壊した。 流石にこれは不味いと思った周辺諸国がフランス本土へ侵攻。それぞれの領土として分割された。 WW1はイギリスが持っていた旧フランス領土が改めてノルマンディー共和国として独立している。 革命主義者 革命と言いながらも無軌道に暴れる者達、もしくは革命を大義名分として混乱をもたらす者達を総称。 史実と違いフランス革命が残念な結果に終わったため、各国で同じような革命勢力や独立勢力が徹底的に弾圧された。 そんな彼らが逃れたのが彼等に希望の星と思われていたアメリカ合衆国。 そこで数十年の雌伏の時を過ごした共和主義者、共産主義者、民族主義者などが悪魔合体して誕生したのがこの革命主義者である。 広義にはフランスを滅ぼした乱痴気騒ぎも革命主義者たちによりものだと言われている。 一時期は下火になっていたが、アメリカが勢いを取り戻すと同時に無意識に欧州に再リリース。 結果WW1での敗戦国や圧政に喘ぐ植民地などを中心に再び勢いを増している。 ドイツ帝国 プロイセンがオーストリアのお墨付きを得てドイツ諸邦を併合した姿。 ドイツ地域を統一したのでドイツ帝国に名前を変えた。このため史実より大分早く誕生している。 WW1 第一次世界大戦のこと。ここでは史実のようなグダグダ連鎖は起らない代わりに、連合によって史実ナチスドイツのような計画的な侵攻から始まった。 連合 イギリス、ロシア、デンマークを中心とした同盟勢力。 独墺葡に対抗することを目的として結成されており、WW1を始めたのもこいつら。 独墺葡陣営を倒したのちには日蘭西陣営とも対決する腹積もりだった。 戦後は敗戦国となったため、革命主義勢力の浸食が激しい。 協商 ドイツ、オーストリア、ポルトガルによる対英同盟。 文字通り対イギリスを想定して発足された。 勢力的には新興勢力が多い陣営で、実は国力的には英露丁の連合に劣っている。 そこを策略と勢いと精鋭で押し切っていたのが協商であった。 連合のやらかしにより運用WW1には勝てたが、どこもかしこも国内がボロボロのため史実の英仏のように勝ったのに生活が苦しいと安定度がだだ下がりになっている。 イタリア半島 ここではイタリアとして統一されておらず、北部はオーストリア領、南部はスペインの両シチリア王国領となっている。 ナポレオン戦争がなかったためか、それとも共和主義者や革命家が弾圧されまくったせいなんかはわからないが現状統一される気配はない。 ガルバルディは多分弾圧されて死んでる。 因みに我らがドゥーチェことムッソリーニは北部生まれなので多分オーストリア人。 つまりちょび髭伍長と同じ国の人間として生を受けていると思われる。 更に言えばユーゴスラビアのチトーも元々オーストリア=ハンガリー帝国のクロアチア=スラヴィニア王国生まれなので、上記の二人と同じ国の人間となる。 982: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 05 51 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 〇国家への印象 日本 主人公。割と手広く領土を広げた方だと思う。他の世界線の日本よりも少し腹黒いのが特徴。 しかし大陸日本特有のパンチ力は健在のため戦争となると相手が粉々になる。 スペイン 大陸スレでは初めてとなる復活したスペイン帝国。 一度ブイブイ言わせた後で没落。ブルボン王朝が変わってからようやく復興した。 一時期大変な目にあったため、昔と違って冷静さや思慮深さを手に入れている。 このため割と日本と仲良くできた。日本のストッパーに回り勝ち。 オランダ 鉄血でもないし、特に優しいわけでもない。銭ゲバ優先の史実寄りのメンタリティに近いオランダ。 日蘭西の中では多分一番の腹黒だが儲け話には目がない。 日本との付き合いが長いので日本が暴走しだしたら止めようともしない。 イギリス 何故かブリカス度が上がってしまった可哀想な存在。 でも半分くらいは史実でもやってることなのでやっぱり可哀想でもない。 ここではラスボスになると思いきや中ボスになってしまった。 アメリカ 合衆国の方。日本の理想的な中堅国家で大人しいアメリカだった。 しかし途中でハッチャけて戦後はナチムーブやりだすなどラスボス候補になってしまった。 オーストリア 何故かわからないが大躍進した子。 史実のオーストリアよりかなり広い領土を持つようになった。 しかしWW1後は史実の英仏が味わった苦しみを同じように味わっており、ここがドナウ帝国としてやっていけるか、史実のように無惨に崩壊してしまうかの分岐点となっている。 プロイセン アホの子。でも力は強い。 ポルトガルの策略によりオーストリアからドイツ諸邦刈り取り許可免状をもらったため、史実よりも速くドイツを統一してドイツ帝国になった。 ポルトガル 長年仲良くしていたイギリス君に手酷く捨てられたため暗黒面に落ちた子。 実はこんな世界になった原因の半分くらいはこの子が躍動した結果。つまりそんな目に合わせたイギリスが悪い。 ロシア 史実よりも大分良い感じのルート歩んでいるはずなのに結局ロシア内戦になってしまった子。どうして… 周辺国もバンバン介入しているので史実のようなソ連が誕生するかもわからない。 デンマーク まだノルウェーと二重王国していた頃のデンマーク。アイスランドやグリーランドも持っているので結構領土は広かった。 ここではドイツへの恨みからスーパーデンマークに覚醒した。 戦後は恨みを抱えたままバラバラになった挙句に革命で燃え上がりそうな不憫な子。 オスマン 作中特に不憫な子二号。ロシアに殴られ、イギリスに殴られ、オーストリアに殴られとズタボロ。 世界大戦後はメンヘラ気味にナチスっぽいのをキメている。 ペルシャ 不憫な子三号。おまけで英露にボコられた可哀想な子。 こちらも世界大戦後はメンヘラ気味にナチスっぽいのキメている。 清 中国。史実みたいなアヘン戦争が開幕したと思ったらイギリスが本気でぶん殴ってきて、更に後ろからロシアがぶん殴ってきてボコされた。 アヘン戦争後は英露に領土を持っていかれて、WW1後は日本の陰謀でバラバラにされるなど割りと不憫な子。 しかしデンマークやオスマンと比べてあんまり可哀想な気がしないのはなぜだろうか。 朝鮮 彼の願いは届かずロシアと日本のリングにされてしまったよ… 戦後は日本の支援で国土を復興させている。 983: トゥ!ヘァ! :2021/02/25(木) 17 07 13 HOST FLH1Adu131.kng.mesh.ad.jp 投下終了 調子に乗ったせいで大分書き込んでしまった(小並感) フランスが革命で自壊したせいでかなり歴史が変わった世界です。 やっぱナポレオン戦争って色々影響デカかったんだなっと。 因みにナポさん自身は運が良ければコルシカ島に帰っているかもしれないので、オーストリア陸軍元帥とかになっているかもしれない…
https://w.atwiki.jp/wp7_2008/pages/14.html
血統本によってはネアルコ系なりファロス系に属することもあるモスボロー系。 意外なことに2000年代に入って中央G2勝ち馬を輩出した血統でもある。 史実馬は ボールドアンドブレーヴ(1966) の1頭のみ。つまり現役の史実馬が1頭もいないという非常に厳しい状況である。 実はゴールドレット (1977)→ゴールドプルーフ(1995)という れっきとした流れがあるのだが、KOEIさんには拾われていない。 ゴールドプルーフは2003年の東海Sを勝っており、本来ならば史実馬に入れて然るべき馬である。 (しかも導入することでモスボロー系のラインを継続することも出来る。) 幸いなことにボールドアンドブレーヴは長い期間種牡馬を続けてくれる。 自前の繁殖に配合するなり、セリ市でいい幼駒を探せば活路を見出すことができる。